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モスフードサービス、子育て世帯の集客図る 子どもと来店する不安を払拭  

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モスバーガーを展開するモスフードサービスは、5月1日から全国のモスバーガー181店で子育て世帯向け施策「こどモス」プロジェクトを開始する。同プロジェクトはモスバーガーの子育て世帯の従業員が企画。モスバーガーの主な利用客は30~40代男性で、現在は同年代の女性客や若年層の集客強化を図っている。子どもの来店を促すことで、将来の顧客獲得につなげる狙いもある。

写真 分身ロボット「OriHime」による絵本読み聞かせイベントを不定期開催
分身ロボット「OriHime」による絵本読み聞かせイベントを不定期開催

この取り組みは本部主導ではなく、自主的に手を挙げた店舗で行われる。立地や客層などを考慮したうえで、国内1311店(2024年3月31日時点)のうち、181店で実施することとなった。住宅街など子育て世帯の利用が見込める立地が多いという。

30~40代の女性と子どもの新規客を獲得したい考えはあったが、子育て世帯は「子どもを連れて外食する際に周囲の視線が気になり、気軽に外食できないと感じている」という情報があった。その不安を取り除くことが来店促進につながると考え、同企画がスタートした。人材確保も喫緊の課題であり、同社は地域とのコミュニケーションを深化することで「スタッフのエンゲージメントが高まるのではないか」としている。

プロジェクトでは、絵本の交換、持ち帰り、寄贈ができる「こどモス文庫」を店内に設置。読まなくなった絵本の寄贈を募り、店内で気軽に絵本を読める環境を提供する。

小学生以下の子どもを連れた来店客が気軽に利用できるように「優先席」も用意。子ども自身がレジで注文することでシールがもらえる「こどモスチャレンジ」は、保護者以外の大人とコミュニケーションをとる機会を設ける狙いがある。既存客が不便しないように混雑時を避けるなど、各店で実施する時間帯などを調整しながら取り組む。これらのサービスを利用する子育て世帯が引け目を感じないようにしたい考えだ。

親子で食の大切さを学べる「ハンバーガー製造体験」も実施する。対象年齢は4歳から12歳で、シンプルなハンバーガーのほか、「モス野菜バーガー」、「テリヤキバーガー」などをラインナップ。オリジナルバーガーの製造にも挑戦できる。

身体障害などの社会的ハンディキャップや子育て、介護などにより外出困難な人の分身として一部店舗でリモート接客をしているロボット「OriHime」も活用。今後「こどモス」プロジェクト実施店舗で、「OriHime」が子どもへの絵本の読み聞かせを行う体験イベントを不定期開催する。参加費は無料。

子ども用の椅子や皿、スプーン、フォークの貸し出し、赤ちゃん連れの客の離乳食の温めなど、普段行ってきたサービスも継続。企画開始時点では181店舗だが、今後拡大していく計画だ。

モスバーガーは1972年に1号店の成増店(東京・板橋)がオープン。広報担当者は「当時子どもだったお客さまも利用してくれている」と話す一方、若年層の取り込みが課題だという。「未来のお客さまを作っていかないといけない」とし、家族世帯をターゲットとした施策を強化する考えを示した。

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