今回、講師の阿部広太郎さんと「アートとコピー」の1期、2期に参加した受講生2名を迎え、講座の魅力と、学んだことが今どのように活きているかをお聞きしました。
一人よりも、二人ならよりいいものが作れる
━━始めに、受講生お二人の自己紹介からお聞きしたいと思います。
古林:東急エージェンシーでアートディレクター/デザイナーをやっています古林です。私はアートとコピー受講後、2回目の登壇となります。ぜひ前回の記事も見ていただけたらと思います。受講当時は社会人2年目で、今は5年目になりました。受講時点ではひとつも賞を獲ったことがなかったのですが、この講座の受講終了後にヤングカンヌのプリント部門でGOLDを受賞したことを始め、その後も様々な賞を受賞できるようになりました。
竹内:デザイナーの竹内と申します。普段は広告制作会社のデザイナーとして働いており、個人でも普段から積極的に自主制作やコンペに挑戦しています。アートとコピーの卒業制作では、グランプリをいただいたのですごく思い入れが深いです。
阿部:グランプリを取っただけでなく、その卒業制作が「日本のアートディレクション2023/ADC」に入選されてて驚きました。
古林:ADC入選、すごいです。うらやましい!なんかすごく夢が持てる話ですよね。
竹内:前から目標にはしていたので、すごくうれしかったです。
阿部:広告賞の受賞はもちろん、受講後もコンビで結果を残していけるのがアートとコピーの醍醐味ですね。
私自身の自己紹介もしておきます。現在コピーライターの仕事をしていて、学生時代は8年間アメリカンフットボールをしていました。思い返せば、クリエイティブという世界から遠いところにいたといいますか、縁がありませんでした。そんな私が今広告クリエイティブの仕事ができているのは、「一緒に作ろう」と創作の世界に手を引っ張ってくれたデザインのできる友人がいたからなんです。一緒につくる人と出会うことによって、人生がいい形に好転していったのは私自身がまさにそうで、この経験を分かち合いたいという思いから、「アートとコピー」という講座をはじめました。
━━お二人はなにがきっかけで、講座にエントリーしたのですか?
古林:もう本当にシンプルで、広告賞にコピーライターとチャレンジすることに憧れてたけど会社の同期にコピーライターがいなかったんです。ゼロから一緒にコンペに出てくれる相方が見つけられる講座というのは、自分にとって魅力的でした。
また、日々の仕事だと、クリエイティブディレクターやアートディレクターの人がいて、彼らの作りたいものに標準を合わせていくところがあります。そのような中で、だんだん力がついてきたこともあり、今の私は自分の実力だけでどれぐらいのものが作れるのだろうかと思い、トライしてみようと思ったんです。
阿部:若手のときは、先輩の庇護のもとで案をたくさん出して、それが選ばれることもあればそうでもない時もあり、その繰り返しで日々が過ぎていくところもあって。その状況を一歩はみだして、自分の実力を試したいという気持ち、とてもよくわかります。
古林:この時結構忙しかったんですよ。講座もやりきれる自信がなくて、中途半端になっちゃったらどうしようとは思っていました。だけど、意外とやったらできた(笑)。だから忙しいからという理由で受講を迷っている方がいたとしたら、なんとかなると思います。
竹内:エントリーした理由は3つあります。1つは、僕は大阪の美大出身だったのもあり、上京したところまったく知り合いがいなく、孤独を感じていたことです。コンペや自主制作は学生の時からずっとやってたんですけど、会社ではそういう人がいなくて……。当時は「意識高いね」みたいな風潮が若干あり、周りには秘密でコンペに応募してたんです。そのときSNSで流れてきたアートとコピーの無料体験講座に参加してみて、もしかしたらこういう場所を求めていたのかもしれないと感じすぐにエントリーしました。
2つめは一人で作ることに限界を感じていたからです。広告賞でもファイナリスト止まりがずっと続いていました。他作品のクレジットを見ても、二人以上で作っていることが多く、一度誰かと組んでみたいなという気持ちがありました。
3つめはスキルアップです。僕の会社だと5年くらい働き、ある程度仕事を任されるようになると代理店に出向する機会があって、僕もちょうど声がかかり出向したんです。そこで、デザイナーとアートディレクションの役割が全然違い、このままじゃまずいと感じたのは大きいです。