テレビカメラを拒んだ、テレビ局の会見
1月17日(金)の社長会見により、たった100分でフジテレビの評価は奈落の底に転がり落ちてしまいました。
元々は中居正広さんの問題でしたが、23日(木)に中居さんが芸能界引退を発表し、今や完全にフジテレビの問題に変わりました。こんなこと、誰が想像したでしょうか。
たった一度の会見が、ひとつのテレビ局の立場をこれほど変えてしまうなんて。しかも、社長自身による救いようのない失態によってでした。
いま思い返すと不思議な展開です。そもそもは中居正広氏が女性に被害をもたらし示談したとの報道が発端で、そこにフジテレビの幹部社員が関与したとの疑惑が生じていました。フジテレビは関与を否定したものの、大株主である米国のファンドが強い表現で事実の解明を求めました。
これに対し、フジテレビの港社長が会見を開いたわけですが、ごく普通に誠実な会見を行って、調査することを説明すればよかった。発表した調査の手法に問題があったことも間違いありませんが、それよりも会見の参加を記者会に限定し、テレビカメラを拒んだことが決定的な問題だと私は考えています。
この会見を、当日の夕方と夜に各局のニュース番組が報じる際、静止画に社長の発言をテキストで添えて伝えました。動画がないから当然です。しかも局によっては15分近く長々と時間を割いて。
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境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。
1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。
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