変わる、SNS時代の家づくり “テレビCMを打たない”一条工務店のインスタ戦略

資産形成に対する意識の高まりや、共働きによる収入の安定により、若年層の持ち家率は7年連続で上昇している。一条工務店の広報担当である津川武治氏は、これを後押しするのが、施主のSNSにおける情報発信であると語る。家づくりや暮らしに興味を持つ人々が情報源としているプラットフォームのひとつがInstagram。同社の活用方法について話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』3月号の巻頭特集「採用広報にも効く『企業認知』を高める手法&事例一覧」の転載記事です。

一条工務店がInstagramを選んだ理由

「家は、性能。」を掲げる住宅メーカー、一条工務店。体験会や見学会などその「性能」を届けるコミュニケーションを重視し、テレビCMなどの宣伝活動をほとんど行っていないことで知られている同社が、情報提供の拠点として重視しているのがSNSだ。2018年に開設したInstagramとFacebookに始まり、その後YouTube、LINE、Xと各プラットフォームの活用を行ってきた。

一条工務店で制作と広報を担う津川武治氏は、同社のSNS施策についてこう語る。

「私たちが大切にしているのは、住宅そのものを販売するというよりは、“暮らしの核”になるものを提供しているという意識です。そこでSNSでは、“暮らしにいいこと”を提供するというテーマを設定。インテリアや収納アイデアのご紹介、レシピや離乳食、防災対策や健康に関することなど、今の暮らしからお役立ていただける情報を伝えながら、一条工務店に興味を持ってもらうためのきっかけづくりをしています」(津川氏)。

こうした方針を取ることになった背景には、SNS時代ならではの住まいづくりの変化にある。

「当社はタグラインでも“家は、性能。”を掲げ、高気密・高断熱、災害対策などに強みがあります。したがってWebサイトにおいてもそのスペックを訴求することを重視してきました。さらに特徴的なのは、キッチンや洗面台、風呂、収納といった設備はすべて当社オリジナルであること。したがって、やや“画一的な家になりそう”というイメージがついていました。ですが、実際はインテリアの変化でさまざまな表情を持たせることができます。この数年、オーナーの方々が自主的にSNS等で発信してくれるようになったことで、このことが自然と広がっていきました」。

 

…この続きは1月31日発売の月刊『宣伝会議』3月号で読むことができます。

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