プロアメリカンフットボール「NFL」の年間優勝を決める「スーパーボウル」が2月9日(日本時間は10日)に開催された。米国で最も注目度が高いイベントであり、そのテレビ中継で広告主は、ブランドのパーパスを体現した渾身の1本をこの「CMの見本市」に送り込む。
トランプ政権発足後間もなくの開催となった今年のスーパーボウル。その注目CMを、パーパス・マネジメント・コンサルタントのジャスティン・リー氏(エスエムオー)が解説する。
トランプ政権発足後間もなくの開催となった今年のスーパーボウル。その注目CMを、パーパス・マネジメント・コンサルタントのジャスティン・リー氏(エスエムオー)が解説する。
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ハーゲンダッツスーパーボウルCM
シボレー・カマロのギアを上げる。オープンカーがハイウェイを疾走するさまは、まるで映画『ワイルド・スピード』のカーチェイスさながら。しかし、主演のヴィン・ディーゼルとミシェル・ロドリゲスは、アクセルを踏む代わりにスピードを落とし、ラジオをつけ、ハーゲンダッツのアイスクリームバーを味わう。映画をモチーフにしたこのCMは、ワイルド・スピードの台本をひっくり返し、スピードを緩めてその瞬間を味わうことの喜びを遊び心たっぷりに思い出させてくれる。
ハーゲンダッツの広告は、スーパーボウルCMでの定番要素を3つ取り入れている。
1) 有名人や文化的アイコン
2) コミカルで楽しいストーリー
3) 商品とその効果
今年は例年以上に、多くのブランドがこの古くからの手法に大きく傾倒したのは、広告批評家もおおむね同意するところである。
視聴者にポジティブなブランドイメージを植え付けるために、ほとんどのCMはこうした保守的な方法を採ったが、一部で冒険的な路線で攻めたブランドもあった。クリエイティブ、かつエモーショナルな方法で、自社のパーパスとその実現方法を伝える機会としてスーパーボウル広告を利用したのだ。