宣伝会議が主催する、100社を超える企業のマーケティング責任者が集うコミュニティである「CMO X」では、CMO X LABと題して、企業視察などブランド体験ができる交流会を定期的に開催している。
2025年4月には、「CMO X」のメンバー有志が、代々木公園の新しいスポット「BE STAGE」内にあるスタジオ「Spot. Yoyogi Park」に集合。「CMO X」メンバーの一人である、渋谷未来デザイン 理事・事務局長 長田新子氏協力のもと、ヒップホップの探求学習とブレイキンの体験会を行った。
新しい挑戦をする人が主人公になれる場、代々木公園の新スポット「BE STAGE」
渋谷未来デザイン 理事・事務局長 長田新子氏による「代々木公園 BE STAGE」の案内からスタート。
2025年2月20日から一部エリアの供用を開始した「代々木公園 BE STAGE」は、東京都が実施する都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、東急不動産が運営している。
コンセプトは「はじめる人になろう」。クリエイターが集まり新しい文化がはじまる原宿とスタートアップが集積し新しいビジネスがはじまる渋谷。その間の神南エリアに、新しく何かをはじめる人、新しい挑戦をする人が主人公になれる場(STAGE)をつくることで、広域渋⾕圏を新しい挑戦をはじめやすい場所とすることが目標だという。
天然芝の「にぎわい広場」、イベント時にはステージにもなる「発信テラス」、スケートボードができる屋外アーバンスポーツパークに加え、ダンスやストリートスポーツのスタジオ「Spot. Yoyogi Park」、「ニューバランスRun Hub 代々木公園」、ハワイアンレストラン「Tiki’s Tokyo」などがオープンしており、注目を集めている。
全員で円になる ヒップホップの「サイファー」にビジネスパーソンが学べること
「代々木公園 BE STAGE」の見学を終えると、メンバーはスタジオ「Spot. Yoyogi Park」に集合した。
「サイファー」(ヒップホップ用語で、複数人で輪になってフリースタイルでラップやダンスをすることを表す)をイメージし、椅子を円形に並べた会場。「サイファー」では、表現をする人が円の真ん中に立ち、次々と新しい人が円の中心に出ては考えを表現していく。誰かが発信している間は、反対意見などを言わない、円の中央に出ていく人を後押しすることがルール。サイファーは当時の米国の黒人文化から生まれたもので、身分や立場に関係なく自分の意見を言える場として、ヒップホップの精神を象徴するものとなっている。
日本オリンピック委員会 ブレイキン ナショナルコーチ 渡邊マーロックさんが司会を務め、パリオリンピックでも注目を集めたブレイクダンサー Shigekix(半井重幸)さんと、オリンピック・ブレイキン日本代表ヘッドコーチ Katsu One(石川勝之)さんがヒップホップに関する歴史や思いを語った。
左から、渋谷未来デザイン 理事・事務局長 長田新子氏、渡邊マーロック氏、Shigekix(半井重幸)氏、Katsu One(石川勝之)氏。
Shigekixさんは、「ブレイキンに出会って自分の人生が変わったように、同じような経験を一人でも多くの世界中の子どもたちに与えるきっかけをつくりたい。それがブレイキンやヒップホップカルチャーに対する一番の恩返しになると考え、自分自身が活動を続ける原動力になっている」という。また、「背中でかっこいい姿をみせるだけではなく、ブレイキンの魅力に触れてもらい、挑戦することの楽しさを子どもたちに伝えるため、全国をまわって指導の場を設けている」と話した。