Q4:国内において広報としてのキャリア形成で悩みとなることは何?
企業を取り巻く環境の変化スピードがますます上がる中、企業広報として共通する悩みは様々あると思いますが、個人的にここ数年意識しているのは、社会的責任を持つ企業体としてのコミュニケーションのあるべきを、自信をもって提案出来る自分であるかという点です。
例えば、テクノロジードリブンで、猛スピードで進んでいく事業が生み出す価値を、自社目線だけでなく社会情勢や様々なステークホルダーのインサイトを適切に踏まえた上でのベストな表現や方法、タイミングで広報を設計・実施出来ているか。
または、企業の社会的責任の範疇が世界的に拡大を続ける中で、日本国内だけでなく世界の潮流も踏まえた上での適切な判断や準備が出来ているか。もしくはそれらの実現に近づく様、広聴機能を発揮できているか。
価値観も多様化していく中で、企業に向けられる目線は年々複雑化しているように感じますし、絶対的な正解もないものが増えているようにも思います。
そんな時だからこそ、国内外、社内外様々な観点を知り、風を感じておくことが広報にとってはとても重要だと感じます。他社の広報の方との情報交換なども積極的に実施していきたいですね。
Q5:広報職の経験を活かして、今後チャレンジしたいことは?
短期的には、当社が急速にグローバル化・IT化したため、まだ昔のドメスティックである意味アナログな企業イメージをお持ちの方も多くいらっしゃる状況だと認識しています。我々が今、改めて日本を含むグローバルでどのような挑戦をしていきたいと考えているか、より多くの方に知って頂きたいと思っています。
中期的には、自社の広報という事だけでなく、関連業界ひいては日本社会全体が今よりももう少しだけ良い方向に向かっていくような論点の提示や議論を、様々なステークホルダーの方とも連携しながら巻き起こしていけるような広報活動を目指したいと思っています。そのためのコミュニケーション手法も柔軟に考えていきたいです。
当社でもオウンドメディアの運営やSNSの活用は以前から実施していますが、メディアの皆様の業態も近年大きく変わってきています。メディアの皆様や他社広報の皆様とのよりよい協働や自社発信を大事にしながら、新たな手法も虎視眈々と企んでいきたいと思っています。
【次回の担当者は?】
次回は、メルカリグループの広報責任者をされている宮本祐一さんにバトンをお渡しします。宮本さんは、メルカリ入社後、スマホ決済サービス「メルペイ」の立ち上げとPR業務全般に携わられた後、日本事業全体のPRマネージャーを経て、現在は、コーポレートPR含めてメルカリグループの広報責任者を務めていらっしゃいます。
スピーディーかつ透明性高く事業運営を進めていらっしゃるメルカリグループ全体のPRを統括される宮本さんから、どの立場の広報担当者の方でも必ず参考になるお話が伺えると思います。
