「それ、転売ヤーのせいですか?」“ちいかわが買えない”を防ぐ信頼のつくり方

「ちいかわのハッピーセット、どこにもない」。SNS上にそうした声が相次いだのは、2025年5月のことだった。マクドナルドが販売した「ちいかわ」のハッピーセット第1弾は、5月16日の発売初日から多くの店舗に行列を生み、わずか3日で販売終了。続く第2弾も、5月23日に販売されたが、翌24日には日本マクドナルドが「多くの店舗で販売を終了した」と発表し、予定されていた第3弾(第1・第2弾商品の再販売)の中止も明らかにした。

日本マクドナルドの公式Xでも「ちいかわ」ハッピーセットの第1弾、第2弾が告知されていた。

第2弾の販売直前、22日時点で同社は公式サイト上に「1人4セットまで」の購入制限と転売目的での購入を控えるよう呼びかける告知を掲載していた。第1弾販売時には、転売行為への強い嫌悪や批判がSNSで相次いだが、第2弾に関しては「今回は買えた」「前より落ち着いていた」とする声も散見され、一定の改善が見られたとする受け止め方もある。

一方で、フリマサイトなどには「ちいかわ」の付録が多数出品され、ネット上では“転売ヤー”への怒りの声は未だ多く散見されている。同時に、「なぜ日本マクドナルドやフリマサイトの運営会社は、こうした事態を予測し、十分な設計ができなかったのか」といった、構造的な設計責任を問う声も目立ち始めた。

この問題は、単なる“モラル”や“個人の悪意”で片付けられるものではない。「子どものために買いたかったのに」「ずっと楽しみにしていたのに、買えなかった」といった感情が浮き彫りにしたのは、「本当に届けたい人に届く仕組みになっていたのか?」という構造の問題であり、企業やブランドはその設計責任をどこまで負うべきなのかという問いでもある。

メルカリが掲げた不正利用者の“徹底的な排除”

こうした中、最大手のメルカリは5月21日、「安心・安全なマーケットプレイスの実現」に向けた新方針を発表。登壇した執行役員 CEO Marketplaceの迫俊亮氏は、不正利用者の「徹底的な排除」と、正しく利用する顧客の「徹底的な救済」という2つの約束を軸に、3つの新たな取り組みを公表した。

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