meet&copy はじめます(文・小藥 元)

宣伝会議の教育講座に、クリエイティブディレクター/コピーライターである小藥 元さんを講師に迎えた特別クラス「コピーライター養成講座 小藥元クラス meet&copy」が開講します。
 
講座を担当するにあたり、小藥さんが改めて考える言葉の価値や、コピーライターの役割について4回にわたってお届けしていきます。

「コピーライターの孤独」

独立してもうすぐ丸11年になる。

唯一誇れることは、逃げなかったことだと思う。他にスタッフをつけずに(博報堂時代からずっとだが)、全ての仕事においてコピーを書くという場面に関しては一人で対峙してきた。

それはとても苦しい時間だ。誰にも助けを求められないのだから。必ず答えを見つけないといけない。見つけられないなら信頼を裏切ることになり2度と仕事は来ない。

覚悟を持って向き合ってきた。夜中まで格闘し、思いついたときだけ救われる。

大きな広告代理店を独立する場合、そのまま仕事を継続できると思われている。確かにそのような方は多いが、当時CDでもなかった私は0だった。ましてやフェロー契約もなかった。

本来、独立という言葉は「独りで立つ」と書く。一人でクライアントに向かい、ただ一人でプレゼンすることも多い私は、11年経った今でも「独り」を感じる瞬間が多い。

「言葉の価値」

代理店やコンサルという先人たちが築きあげた土俵から降りてみて、一枚のただ白い紙にコピーを書き、社会で価値を認めてもらえるのか。価値を認めてもらった先に、フィーという対価に換算できるのか。

現実はコピーっぽいコピーを書いて眺めて笑っていられるほど甘くない。安全地帯は独立するとどこにもない。

言葉はクライアントの誰でもが書けるのだから。

クラウドサービスに頼めば安価であるし、AIなら24時間何度頼んでも0円なのだから。持ち合わせは文字しかない。タレントもメディアもない。それはコピーという刀一本、あなたという個人の裸の勝負ということになる。

実になんとも孤独な職業だと思う。

「出会いこそ可能性」

しかし、誤解しないでほしい。仕事は一人ではない。多くのデザイナーたちや、部署・専門分野を超えて尊敬する仕事仲間との出会いがあり、刺激を与えあいながら共創する。それは実に面白く、飽きることがない。

言葉は言葉を超えていく。また、様々なクライアントとの出会いがあり、化学反応と進化が生まれる。私自身も、私の中のコピーというものも、得意先によって熟成と拡張を繰り返してきたのは間違いない。コピーライターはコピーライターを超えていく。

言葉となにが出会うのか。なにと言葉が出会うのか。そこに可能性がある。スタッフは下につけない主義だと言ったが、いままで積み重ねてきたリアルなナレッジを一度話してみようと思う。

meet&copyと題して、計6回の講義を7月からはじめたい。

1 core&copy (中心を見つける)
2 direction&copy (北極星を示す)
3 name&copy (0→1・1→10を生む)
4 design&copy (logo) ゲスト回
5 design&copy(photo) ゲスト回
6 client&copy 最終課題発表 ゲスト回

プロのコピーライターになりたい人。スキルや姿勢を学びたい人。強い言葉を仕事の真ん中に置きたい、マーケや宣伝、開発、デザイン、プロモーション、営業、PR他業種の人たち。

meet&copyとは、コピーライター向けに勿論言っているが、そうでない職種の方にも伝えたい。

なぜなら、いいコピーがないなら、デザインもしたくないし、企画も広がらない・通らない、プレゼンにも勝てないことを経験しているはずだから。

言葉に厳しく、大事に。強みに変える。

あなたとの出会いをとても楽しみにしています。

コピーライター養成講座 小藥元クラス meet&copy 概要

バナー 講座

◯開講日:2025年7月24日(木)19:00~21:00
◯講義回数:全6回
◯開催形式:教室とオンラインを各回自由選択できるハイブリッド開催
◯詳細・お申込はこちらから

<無料体験講座も開催>
6月5日(木)19:00に体験講座『strategy&copy「それは戦略ワードなのかコンセプトなのかコピーなのか」』を開催!吉田洋基氏(デザインノード)をゲストに迎え、講座で学ぶこと、コピーの考え方、戦略ワードとコンセプトとコピーの違いなどを解説します。詳細はこちら

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小藥 元

meet&meet
クリエイティブディレクター/コピーライター

83年生。早大卒業後、05年博報堂入社。14年独立、meet&meet設立。 これまでの主な仕事に、 メルカリ「メルカリ、ありかも。」、TikTok「もっと世界を好きになる。」、FIBAバスケワールドカップ・テレビ朝日「1歩、1本、日本。」などのブランドコピー開発に加え、「パルコヤ」「まるでこたつソックス」「MOSDO!」「かるまる」「SAKE HUNDRED」「THREEPPY」「BASEGATE 横浜関内」「ジェリコ(コメダ珈琲店)」「人生を共に生きるウイスキー(KIRIN)」などのブランドネーミング実績、社名開発も数多い。 ブランドコンセプト及びコピー開発をコアに、様々な企業の事業定義、MVV/CI策定、ブランディングプロジェクトをリードする。書籍に「なまえデザイン」。

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