ロックバンドTHE ALFEEを起用した「綾鷹 濃い緑茶」(日本コカ・コーラ)の新WebCMが5月22日に公開され、登場する架空のコンビニ「メリーアンマート」をめぐる投稿がX(旧Twitter)で話題を呼んでいる。
代表曲「メリーアン」にちなんだネーミングをきっかけに、「もし実在したら?」という想像を膨らませたファンによる、“あるある大喜利”が拡散。「レジ打ち中にギターを弾く店員がいる」「初来店でも『51年お待ちしておりました』と迎えられる(THE ALFEEはデビュー51年目)」など、バンドの世界観と結びついた投稿が次々と寄せられ、トレンド入りを果たした。
3人の背後に映るコンビニの看板には、よく見ると「メリーアンマート」の文字が──ファン心をくすぐる仕掛けだ
話題のCM「みんな大好き濃い緑茶」篇は、THE ALFEEの3人がコンビニ店内で同時に「綾鷹 濃い緑茶」に手を伸ばすシーンから始まる。3人の目が合い「同じだ」と喜び合うように見えて、実はそれぞれ商品を選ぶ理由が異なる。桜井賢は「内臓脂肪をケアできていいよな〜」、坂崎幸之助は「皮下脂肪をケアできていいよね〜」、高見沢俊彦は「濃くておいしいよな〜」と、心の中で違う魅力に反応しているのだ。そのすれ違いに最後まで気づかないまま、「ゴクゴク、ぷはぁ〜」とそろって飲み干す構成だ。
企画を手がけた博報堂のCMプランナー・河内大輝氏は、「内臓脂肪と皮下脂肪、そして濃くておいしいという3つの特長を伝えるために、日本で最も代表的な3人組であるTHE ALFEEを起用した」とコメント。その上で「商品の利点を言い合うのではなく、心の中でのすれ違いを描くことでユーモアのある展開にした」と意図を語る。
演出面においては、3人の“関係性”も大きな軸となった。メンバーの高見沢は「僕たちは思考や服装、髪型がバラバラだけど、集まるとまとまる。“アンバランスのバランス”が取れている」と言及。CMで描かれる3人のすれ違いは、まさにそのバンドの本質とも言える絶妙な距離感と調和が可視化されている。
THE ALFEEファンに向けた要素も随所に仕込まれている。CM中の「メリーアンマート」という店名に加え、ナレーションでも「THE 綾鷹」を「ジ・綾鷹」と発音するなど、細やかな遊びが潜む。Xでの盛り上がりが示すように、CMはファンを巻き込む仕掛けとしても機能している。