伸び悩む「アウトバウンド」需要喚起へ 旅行業界がプロジェクト始動

回復が鈍い「アウトバウンド」

昨年の訪日外国人は過去最高の3687万人を記録し、今年に入ってもインバウンドは好調を維持している。一方で日本人による「アウトバウンド」は低調であり、海外旅行者数はコロナ禍前の2019年比で7割弱にとどまっている。物価高や円安の影響により、海外旅行を控える傾向が強まっている。

旅行需要自体は回復傾向にあるが、2024年の人気海外旅行先は韓国、台湾、東南アジアが中心であり、ハワイやヨーロッパといった長距離の旅行先は回復のスピードが鈍いという。時間的制約や金銭面の影響が大きいと見ている。日本人のパスポート保有率も、コロナ前は23~24%だったが、2024年には約17%まで低下している。

髙橋広行JATA会長(JTB会長)は「海外旅行が低調な理由は経済的要因が大きく、海外旅行への意欲自体が減退している」と語る。経済的不安を軽減するような旅行商品を打ち出す必要があると述べた。

キャンペーンを加速させるため、多方面で活躍する岩田を海外旅行アンバサダーに迎えたとしている。岩田はInstagramで約300万人のフォロワーを持ち、若年層への影響力も大きい。プロモーション活動の第1弾はハワイで撮影したが、第2弾以降はヨーロッパやアジアなど、様々な地域での展開を検討している。

髙橋会長は「国際交流の基本は双方向交流」と話し、海外旅行の回復を通じてインバウンドとアウトバウンドのバランスが取れた、「持続可能な国際交流」の実現を目指す方針を示した。

2025年3月24日から、偽造・変造対策を大幅に強化した新パスポートが発行された。新規申請・切替申請に関わらず、全国でオンライン申請が可能。JATAはパスポート取得費用の補助や旅行商品のキャンペーンも展開している。

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