「走り続けろ。」を描く
「交通広告のクリエイティブ面では、作品のキャッチコピー『走り続けろ。』をいかに表現するかをポイントに開発しました」と進藤氏は続ける。
「このコピーには、爆弾を仕掛けられた新幹線が“走り続ける”ことに加えて、その新幹線の運行を支える人たちを描写することで、日本のインフラを支える人たちが、仕事を止めずに“走り続けている”という意味を込めることで、『新幹線大爆破』がタイムサスペンス映画であると同時に、『お仕事映画』の側面も持っていることを訴求しています。そして、ゴールデンウイーク時期ということも考慮し、映画らしい表現も重要と考えました。そこで、グラフィックでは、イラストを使った作品のキーアートと、各キャラクターの対立する構造を描いた写真のデザインを用いました」(進藤氏)。
「人命か使命か」「組織か現場か」「世論か政治か」。登場人物たちの対立を描いた。
動画媒体では、疾走感を強調した新幹線「はやぶさ」の映像と、タイムカウントや路線図を用いることで、映画の核であるタイムサスペンスの緊張感を伝えた。
JR新宿駅 新宿ウォール456プレミアム+で4月28日~5月4日まで放映されたデジタルサイネージ広告。
Netflixはこれまでも『極悪女王』や『地面師たち』など様々なドラマにおいて、作品の特徴と掲出場所の特性を最大限に生かした交通広告を展開してきた。
今回クリエイティブディレクションとコピーライティングを担当したのは、電通の田端都望氏。
「『新幹線大爆破』を“交通媒体で広告する”というNetflixさんの英断にどう応えるか。“Where to say”にアイデアがある分、上物はシンプルに。空間全体を使える場所では、はやぶさを『立て』たり、駅構内を新幹線が駆け抜けるサイネージで迫力ある『異物感』を。品川駅では『当事者性』を逆手にとったギャグに。映画のテーマがテーマだけに繊細なケアが必要でしたが、媒体社の皆さんのご協力とデザインの細やかなつくり分けで実現しました」(田端氏)。
コンテンツの魅力を最大限に伝えるために、“どこで・どう見せるか”を戦略的に設計した今回のプロモーション。駅という物理的な導線上に作品の世界観を重ねることで、視聴前から体験価値の一部として機能させた。

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スタッフリスト
企画制作
電通、AOI Pro.、SIGNIF、J.C.SPARK
CD・C
田端都望
AD
永井淳也
D
坂本亘、高橋由衣
PR
高橋伸也、神﨑智弘、星竜太
PM
𦚰山響、伊藤夢
演出 | 西久保直哉 |
CG | Alessandro Asnaghi(CGデザイナー) |
編集 | 西久保直哉 |
SE | TPSOUND |
MA | 小牧修二 |
AE | 前川尚美、伊藤柚希奈、伊藤耕太郎 |
レタッチャー | 横山睦 |
モーションデザイナー | 棟光里 |
asst.デザイナー | 園天良、三澤さくら、熊谷あかり |