カンヌで拍手喝采を浴びた映画「8番出口」 映像制作や広告で見せた「原作愛」

実データ 「8番出口」の登場人物「おじさん」が印象的な本チラシ

「8番出口」の登場人物「おじさん」が印象的な本チラシ

キービジュアルは早い段階で形となり、その後さらにデザインを発展させていったが、最終的には最初の案に戻ったという。佐野氏は「(ある意味で)それもループ感があったかもしれない」と振り返った。

フライヤーやポスターだけでなく、Web上でビジュアルを公開した際のインパクトも重視。「情報解禁などPRの順番も非常に大切なので、チームで構造を考えた」という。佐野氏は「8番出口チームは、良い意味で役割が曖昧で、それぞれがアイデアを出し合える関係性だった」と語った。

映画「8番出口」特報

佐野氏は「クリエイティブの根幹から関われるのは名誉である一方、当然プレッシャーもある」と話す。同社はスピードとクオリティを大切にしており、監督やチームの考えをビジュアルにまとめて素早く共有し、そこからブラッシュアップを重ねたという。

情報をリリースするたびに話題となり、カンヌ映画祭のミッドナイトスクリーニングにも選出されたことについて佐野氏は「非常に嬉しく思う」と述べた。

カンヌ国際映画祭に出品された映画のポスターデザインのコンペティション「Prix Luciole」で、同作品のポスターが最優秀賞を受賞した。審査委員からは「ミニマルでありながら、印象的。フォント、タイル、黄色など、見る人の既存の視覚的記憶に訴えかけ、すべてが『地下鉄』を想起させる」などと評価された。

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