企業のSNS炎上、採用面で「応募をためらう」が77.3% 購買にも影響

コミュニケーション戦略におけるリスク管理に特化したカリキュラムを展開する日本リスクコミュニケーション協会は、企業のSNSリスクに関する消費者意識調査を実施した。調査対象は全国の一般生活者307名(20〜60代、性別問わず)で、調査期間は2025年5月16日〜5月18日。

9割以上が「従業員などのSNS炎上」を見聞きした経験有

「企業・団体の従業員・アルバイト、大学であれば教授や学生などが、不適切な内容をSNSに投稿し、所属先の名称が分かる形で問題となった事例を見聞きしたことがありますか」という質問では、「よく見聞きする」が51.1%、「見聞きしたことがある」が40.7%、「ない」が8.1%と、9割以上の人が「従業員などのSNS炎上」を見聞きしたことがあると回答した。

また、「そのような事例を見聞きした際、その問題を起こした従業員等が所属する企業・団体に対して、あなたの印象はどのように変わりましたか」という質問では、「非常に悪くなった」が25.2%、「少し悪くなった」が48.6%と、73.8%が炎上をきっかけに企業・団体にネガティブな印象を抱いたと回答している。

購買や採用にも影響

SNSでの企業・団体などの炎上は、印象だけではなく生活者の実際の行動にも影響与える。

イメージ グラフ

「あなたが普段利用している、あるいは購入を検討している企業で、従業員の不適切なSNS投稿による炎上が起きた場合、あなたはその企業の商品やサービスを購入したり、利用したりするのを見合わせる、あるいはやめる可能性はありますか」という問いの回答は、「ほぼ間違いなく見合わせる、やめる」14.5%、「見合わせる、やめる可能性が高い」36.9%、「見合わせる、やめる可能性がある」36.2%、「少し気になっても継続利用する」10.3%、「全く気にならない」2.1%という結果に。

「ほぼ間違いなく見合わせる、やめる」「見合わせる、やめる可能性が高い」の合計が50.9%と半数を超えており、購買に大きな影響を与える可能性が示されている。

また、採用面でも与える影響は大きい。

「もしあなたが就職活動中または転職を考えている場合、従業員の不適切なSNS投稿による炎上があった企業へ応募することに対して、どのように感じますか」という問いに対し、20.2%が「絶対に応募しない」と回答。「応募をためらう可能性が高い」が57.1%、「あまり気にしない」19.9%、「全く気にしない」2.8%との結果となっており、77.3%が応募に影響すると回答している。

しかし、このような「炎上」と言われる事象が起こった場合でも、その後の対応によって企業への印象の悪化を防げる可能性がある。

「これまでに、SNSでの炎上事案が発生した後の当該企業の対応により、その企業やブランドに対するあなたの印象が、炎上前よりも良くなったり悪くなったりした経験はありますか。(複数回答可)」という質問に対して、「対応が真摯であったり、問題解決に向けて迅速かつ適切であったりしたために、かえって印象が良くなった経験がある」と回答した人は42.9%。また、「対応が後手であったり、謝罪文やステイトメントが不適切だったりしたために、さらに印象が悪くなった経験がある」と回答した人は53.9%となった。

炎上後の対応によって、企業・団体への印象はプラスにもマイナスにもなり得る。適切な対応を心掛けたい。

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