インターネット上に表示される性的な広告については、昨今、子どもや青少年に対するゾーニングを求める意見や青少年でなくとも「見たくないのに表示され不快だ」などの声が高まっています。
デジタル空間においては、ちょっとした炎上であればしばらく時間が経てば自然に沈静化するとも言われる。そんな中で、なぜ「オレンジページnet」は、迅速な対応をすることになったのか。また、ウェブメディアとウェブメディア上の広告枠にアドネットワーク経由で配信される広告の理想的なあり方とはどのようなものであるのか。オレンジページ統括編集長、デジタルコミュニケーション部長の原田直美さんにお話を聞きました。
※本記事は情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、おもに学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部の有志と『宣伝会議』編集部が連携して実施する「宣伝会議学生記者」企画によって制作されたものです。企画・取材・執筆をすべて教育部の学生が自ら行っています。
※本記事の企画・取材・執筆は教育部修了生・野崎佳奈子が、また取材には、平松優太、葉いずみが参加しました。
━━3月10日、ユーザーからXの投稿を通じて、貴社の運営されるオレンジページnet上のレシピにおいて性的な広告が表示されたことの報告を受けたことに対し、貴社がその日のうちにお詫びのメッセージを発信されたことが「迅速ですばらしい対応だ」と話題になりました。ユーザーの投稿が午後1時頃、貴社がメッセージを発信されたのが夜10時30頃でしたが、ユーザーからのメンションを見つけた時点からご対応の決定に至るまでの社内の様子を教えてください。
原田:私に「リツイートの数が多く、炎上しそうだ」との連絡があったのが夜9:30頃、そこから広告担当が配信事業者に該当広告停止の連絡を行い、X運営担当と私で発信内容を検討し、1時間後に投稿しました。対応方針については初動から決めており、検討したのは主に、どういった表現で伝えるかという点です。
━━ネット上では、対応が早い方だと評価されていましたが、それでもまだ時間がかかり、その間に炎上してしまったという認識なのでしょうか。
原田:はい、その認識です。今回発見してから、メッセージの投稿までは1時間程度でしたが、普段であれば、、もっと早い段階で気づき、初期対応が出来ていたと思います。あの日はたまたま担当者の休みなど、複数要因が重なり発見が遅くなりました。
━━ヒヤリとするようなことが起こった場合には、原田さんが責任者として対応をされるのでしょうか。
原田:統括編集長として、広告・記事を問わず、部内で問題が発生した際には必ず報告・相談が上がる体制になっています。お詫びコメントを出すような事態は稀ではあります。
弊社のXは、おいしいものが好きな編集部員がおいしいものの情報をつぶやき、それを好きな方が読んでくださるという比較的平和な空間でしたので、これまでトラブルはほとんど経験がありませんでした。