花王が展開するグローバルメイクブランド「KATE(ケイト)」は6月4日、アジア圏を中心として新グローバル成長戦略を発表した。花王では「グローバル・シャープトップ」事業構築に向け、化粧品事業のグローバルでの成長をめざすブランドのひとつに位置づけている。これまでも戦略的な投資を行い、注力してきた。
「KATE」は1997年に誕生したブランド。誕生以来『NO MORE RULES.』をスローガンに掲げ、時代やトレンドに縛られず、個性と自信を引き出すメイクを提案してきました。またKATEは、“陰に美しさを見いだす”日本ならではの美意識から生まれた『陰影メイク』というメイク手法を提唱。日本メイク市場NO.1*¹ を堅持し、日本のメイク文化を牽引し続けている。
*1 インテージSRI+調べ メイク市場 2021年1月~2024年12月累計売上金額
KATE、アジア圏で成長するために何を仕掛ける?
今回打ち出したグローバル成長戦略では、「KATE」が創出してきた影と光を操ることで立体感をつくり出し劇的に印象を変える『陰影メイク』を、日本と近いメイク文化を持ち、目もとメイクを重視するアジア圏の生活者に向けて拡大していく方針を示した。『陰影メイク』を代表するメイク文化として国境を越え、個性と自信を引き出すことを提唱していく。
*1 インテージSRI+調べ メイク市場 2021年1月~2024年12月累計売上金額
戦略を実現する打ち手として、「KATE」が掲げたのが日本を代表するコンテンツとのコラボレーション。メイク文化だけでなく、“Japan Culture”をグローバルに発信していく。さらに、グローバル旗艦店「KATE TOKYO 渋谷サクラステージ店」も活用し、UX創造によるブランド価値を発信し、アジア圏を中心にさらなるグローバル成長を目指すとした。
IPと積極コラボ 『呪術廻戦』を皮切りにUSJとも協業
グローバル成長戦略における施策として、すでに開始しているのがキャラクターIPとのコラボレーションだ。6月2日から、国内外でアニメ化されているコミック『呪術廻戦』とコラボレーション。作品内に登場するキャラクター“五条悟”を起用し、もとが際立つ印象的なシーンをデザインに採用した。
また、ブランド旗艦店である「KATE TOKYO 渋谷サクラステージ店」でも、五条悟と写真が撮れるフォトスポットの設置をはじめ、KATE公式ブランドサイトにて特設サイトも開設。また、公式XやInstagram、TikTokなどのSNSを活用したコミュニケーション施策やコラボレーションムービーの配信など、OMOで出会いと体験の場を創出していくとしている。
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7月からは、アジア圏でも人気の日本人アーティストとのコラボレーションを実施予定。「陰影メイクは、次元を超える」をテーマに、『陰影メイク』が2次元から、3次元へと次元を超えるほどの驚きの美しさを引き出すことを提案する。
具体的には、『陰影メイク』を創り出すアイシャドウやアイブロウなどの商品提案に加え、『陰影メイク』をまとうことで、自分らしさを解放し、自信を得ていく様子をアニメから実写へ移り変わるとともに象徴的に描く。また、台湾やタイなどアジアの強化エリアにおいては、アンバサダーを起用するなど、『陰影メイク』を軸にした、日本のメイク文化をグローバルに発信することを強化する方針。
さらに9月からは、訪日外国人観光客からも人気のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」とも共創。“感情開放できる”新感覚のウォークスルー型アトラクション『18番地の魔女~感情と戯れる魔女の館~』を同パークで開催される「ハロウィーン・ホラー・ナイト」にて開館する。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、オフィシャル・イベント・パートナーとアトラクションを共創することは、パーク史上初。共創アトラクションは『“まだ見ぬ私”を解き放つ』がテーマ。4人の魔女の導きにより、さまざまな感情が引き出されることで、まだ見たことのない自分が姿を現すという内容だ。
KATEでは今後も、日本をはじめアジア各国と地域を中心に、日本のメイク文化を代表するブランドとして継続的な情報発信を実施すると言及。新たな価値を創造する体験の場を創出し、アジアNo.1のメイクブランドになることを目指す。その中で、花王化粧品事業の「グローバル・シャープトップ」事業構築に向けて、アジア圏での存在感をさらに高めていきたいとしている。
