「視線を感じるパッケージ」の学生デザインを全国展開、アトリオン製菓

産学連携プロジェクトで発案

アトリオン製菓は、長野市の専門学校「岡学園トータルデザインアカデミー」と産学連携プロジェクトを実施し、学生のデザインを製品パッケージに採用した。地域を支えるクリエイティブ人材の育成のため、長野県に本社を置く同社が、商品パッケージに関する出前授業を実施。対象商品は「ハイレモン」「ヨーグレット」「コーラパンチ」の3種で、6月上旬から全国のコンビニなどで発売。販売期間は9月末までを予定している。

企画開発部長の高宮隆一氏は、学生の柔軟な発想から生まれた「視線を感じるパッケージ」というコンセプトについて、従来の商品設計とは一線を画すものであると評価している。

イメージ 岡学園トータルデザインアカデミーの学生(当時)がデザインしたパッケージ

岡学園トータルデザインアカデミーの学生(当時)がデザインしたパッケージ

今回採用されたデザインは、当時同校2年生だった西山萌珈(もか)さんによるもの。「ヨーグレット」と「ハイレモン」ブランドのオリジナルキャラクターである「ヨググ」と「レモモ」の表情をパッケージ前面に配置した点が特徴で、「視線を感じるパッケージ」という新しいコンセプトを打ち出した。

1月の作品発表の場で提案された計13のデザイン案から選ばれた。親しみやすさと遊び心を兼ね備えたデザインであり「ブランドの強みや特長が的確に反映されている」と評価された。

「視線を感じるパッケージ」というコンセプトは、「目立たせて気付かせる」といった従来のデザイン設計とは一線を画している。通常の商品デザインは、小売店での陳列を前提に「いかに棚で目立たせるか」が重視されるが、今回のパッケージは「視線を感じて、ついつい見つめ合ってしまう」という双方向性をもった設計となっている。「赤ちゃんにじっと見つめられていると、無意識にそちらを向いて笑顔になる」といった体験と同様の感覚で、消費者の目に自然と留まることが期待されている。

高宮氏は「社内メンバーだけで商品案を考えると、暗黙のうちに制約を設けてしまい、大胆な発想は生まれにくい」と話した。学生の個性が生かされた多彩なデザイン案を通じて「既成概念に囚われない発想のためには、メンバーの多様性が非常に重要であると強く実感した」と振り返った。

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