仕事で成し遂げたいことは「安定した生活」が最多 新入社員意識調査2025

組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENTの研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所は、2025年度入社の新入社員 3933人を対象に「新入社員意識調査」を実施した。調査期間は2025年3月25日~4月24日。

「自分を成長させたい」と思う新入社員は減少傾向

「仕事を通して成し遂げたいこと」を聞く質問では、「安定した生活を送りたい」が65.6%ともっとも高い結果に。「自分を成長させたい」(50.1%)、「家族に恩返しをしたい」(44.9%)と続いた。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

この、新入社員が「仕事を通して成し遂げたいこと」について、2017年度から9年間の回答結果を比較したところ、「安定した生活を送りたい」と回答した新入社員の割合は、2019年度の54.3%を境に年々増加傾向にあり、2025年度は65.6%と過去最高の割合となった。

一方、「自分を成長させたい」と回答した新入社員の割合は、2020年度の64.1%を境に減少傾向にあり、2025年度は過去最低の50.1%となった。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

新入社員が「取り組みたい」と思う仕事は?

「取り組みたい仕事」を聞く質問では、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した割合が69.1%で最多となった。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

新入社員が取り組みたい仕事について、2019年度から7年間の結果を比較すると、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した新入社員の割合は7年連続でトップを維持していた。また、「自身の成長につながる仕事」と回答した割合も7年連続、2位をキープしていたが、2020年度の57.7%を境に徐々に減少。2025年度は41.4%と過去最低の割合を記録した。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

「自身の中でため込んでしまう」傾向が微増

「何かに悩んだときに、あなたが取る行動にもっとも近いものを選んでください」という質問では、「自分でじっくり解決策を考え、実行する」と回答した割合が46.2%、「すぐに人に相談する」が32.7%、「解決できないまま自分の中にため込んでしまう」が14.4%、「好きなことをして忘れる」が6.7%となった。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

悩んだときの行動について、2014年度から12年間、各年度の新入社員が回答した結果を比較しました。結果、「解決できないまま自分の中にため込んでしまう」と回答した割合は多くはないが、徐々に増加していた。

イメージ グラフ「新入社員意識調査」

これらの結果について、ALL DIFFEREN 業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 ユニットリーダーの宮澤光輝氏は、昨今の新入社員は、学生時代の間に新型コロナウイルス感染症の流行や、ロシア・ウクライナ紛争、生成AIの進化と普及、物価の上昇など、世の中の大きな変化を目の当たりにしていることから、仕事の面でも「安定した生活を送りたい」といった安定を求める価値観へとつながっている可能性があると考察。

また、悩んだときの行動について、解決できないまま自分の中にため込んでしまう」という回答が微増してきている傾向などを受けて、宮澤氏は、「業務で感じたストレスや不安を自分の中にため込んでしまうことを防ぐために、上司やOJTトレーナーは声掛けや傾聴、質問を通じて新入社員に本音を話してもらいやすくする」「新入社員が自身の状況について話している間は傾聴しながら話の内容や表情などに集中し、そのうえで『〇〇については、どう感じている?』などオープンクエスチョンで質問することで、本音を引き出しやすくなる」といったコミュニケーションの工夫について考えを述べている。

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