“世界初”素材で2kg台&高耐久 アンカー・ジャパンCEO新会社のスーツケース

モバイルバッテリー大手アンカー・ジャパンの猿渡歩CEOが立ち上げた新会社「旅行ジャパン」は、マグネシウム合金を採用したスーツケース「Magne Suitcase 2k」を、7月1日から先行発売する。20インチサイズで2.9kgと軽量ながら、金属製による高い耐久性も備える点が特徴だ。

写真 商品・製品 「Magne Suitcase 2k」

容量は33リットル。1泊~3泊程度の旅行に適しているとされる

写真 商品・製品 「Magne Suitcase 2k」

新商品発表会で、実際に重さを測ってみると2.8~2.9kg台だった

移動中のストレスを軽減

軽量と耐久性に加え、片開き構造による荷物の出し入れのしやすさ、静音キャスター、仕切りを排した内装設計など、移動中のストレスを減らす要素を盛り込んだ。

ターゲットは、年齢や性別ではなく、「良いものを長く使いたい」という価値観を持つ層を想定している。

同時に、スーツケースと一体で使用できるボストンバッグやパッキング用ポーチなども展開。いずれもスーツケースと一体感を保てるサイズや構造にこだわった。

写真 商品・製品 「Magne Suitcase 2k」

片開き構造にぴったり収まる大・中・小3種の専用ポーチを同時に発売。荷造りのしやすさにも配慮したという

「2kg台」を追い求めた開発 STG社との協業も

開発の出発点は、「軽さ」と「丈夫さ」のトレードオフを超えることだった。猿渡氏は「3キログラム台では弱いが、2キログラム台ならインパクトがある」と考え、各パーツを1グラム単位で見直し、複数の素材を比較。設計・生産の各段階で現場に足を運び、軽量部材への最適化を重ねた。

写真 人物

新商品発表会に登壇した、猿渡歩氏。Magneは、「あなたの旅と行動力に、強さと軽さを。」という思想のもと製品展開していくと語った

製品化を支えたのは、マグネシウム合金の加工と量産に強みを持つSTG社(大阪府)との連携。自動車部品や精密機械部品に使われてきた素材を、一般向けスーツケースのボディ全面に使用した事例は「世界初」(TFCO社調べ、2025年5月時点)だという。生産体制の構築において、同社との協業が不可欠だった。

あえて別会社を立ち上げ

旅行ジャパンは2024年5月に設立された新会社。アンカー・ジャパンとは資本関係を持たない。「“本質的な価値”を丁寧に届けるブランド」をつくるには、既存事業の延長ではなく、別の体制が必要だったことが背景にある。

スーツケース市場には、ファッション性を訴求する高価格帯ブランドと、価格重視の実用ブランドが多く、「軽くて丈夫」という基本性能に正面から応えるブランドは少ないと感じたことも立ち上げの起点となった。

初期ユーザーのレビュー蓄積を土台に

先行販売は7月1日からクラウドファンディングサイト「Makuake」で開始予定。猿渡氏は「まずは情報感度の高い層に届け、レビューをオンライン上に蓄積したい」と話し、初動の売上目標は数千万円規模を見込む。アンカー・ジャパンでもMakuakeを活用し、ユーザーの反応を起点に展開を拡大してきた。

今後は、ポップアップイベントや卸売での展開も検討する。実際に手に取ってもらうことで、「軽さ」と「強さ」の両立という機能性を伝えていく。

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