「安くないと売れない」業界の不文律にMOONRAKERS THECHNOLOGIESが挑む理由

生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディーな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
※本記事は月刊『宣伝会議』7月号の連載「急成長スタートアップ企業に聞く!『わが社のマーケティング戦略』」に掲載されています。
MOONRAKERS THECHNOLOGIES
設立年 2023年8月
従業員数 7名
事業概要 先端技術を搭載した「未来の服」を通じて、ファッション産業の革新を目指すプロジェクト「MOONRAKERS」の運営

本当に安くないと売れないのか?業界への危機感が生んだ商品

先端テクノロジーをベースにアパレル製品を展開するスタートアップ企業、MOONRAKERS TECHNOLOGIESは、“TECHNOLOGY FUTURE, ALTERNATIVE FASHION”をテーマに掲げ、先端技術を搭載した服を通じた「未来の生活」の創造と、問題の多い繊維・ファッション産業の革新を目指している。同社は、素材メーカー・東レの社内プロジェクトとしてスタートし、2023年11月にスピンオフベンチャーとして独立した。

看板商品である「MOON-TECH(ムーンテック)」シリーズには、東レとJAXAが共同開発した技術が使われている。汗をかいても容易に着替えられない宇宙飛行士のために開発された高レベルな消臭・防汚技術を用いており、またそれにとどまらず、吸汗速乾、汗ジミ防止、消臭、抗菌、UVカットなど、数多くの機能性を備えている。当該商品はユーザーの熱狂的な支持を受け、現在大ヒットを続けている。

代表取締役社長の西田誠氏は東レとユニクロの取り組みに深く関わり、フリースやヒートテックの開発にも関わってきた人物。その西田氏は、当該事業を興した経緯について、「ファッションビジネスが価格重視の傾向を強めるなか、このままでは日本のモノづくり、素晴らしい技術が廃れてしまうのではないかという危機感があった」と語る。

ファッション業界は、長く続いたデフレ傾向により「安くないと売れない」という空気感が渦巻いているという。素材を提供する側にいた西田氏「ユーザーは本当に、取引先が言う『安いもの』ばかりを求めているのだろうか」と疑問を持ったそうだ。そこで消費者に直接製品を届けるD2Cプロジェクト「MOONRAKERS」を社内で立ち上げ、仮説の検証に乗り出したのだ。

写真 「MOON-TECH」シリーズのTシャツとロングスリーブTシャツ

「MOON-TECH」シリーズのTシャツとロングスリーブTシャツ。JAXAと東レが共同開発した宇宙技術を筆頭に、高レベルな12種類の機能性を搭載している。

…この続きは5月30日発売の月刊月刊『宣伝会議』7月号で読むことができます。

Amazonでの購入はこちら
楽天ブックスでの購入はこちら

advertimes_endmark

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ