吉野家が「まぜそば」を売る理由 物価高時代に再定義される「うまい、やすい、はやい」

女性客やインバウンド客の開拓を狙う

吉野家は7月4日、初の麺メニュー「牛玉スタミナまぜそば」を全国の店舗で発売する。新たな客層の開拓を狙っており、主に女性客やインバウンド客の獲得を目指す。親会社の吉野家ホールディングスは、ラーメン事業を新たな成長の柱とする方針を掲げており、将来的には同商品で得た麺づくりのノウハウをグループ全体で活用することも視野に入れる。販売目標は200万食を掲げる。

2022年からCMキャラクターを務める藤田ニコルが出演する新テレビCMも、7月5日から放映を開始する。

写真 初の麺メニュー「牛玉スタミナまぜそば」

初の麺メニュー「牛玉スタミナまぜそば」

夏でもさっぱりと食べやすいように開発された。吉野家のたれで煮込んだ牛肉と玉ねぎに、青ねぎ、天かす、玉子を加え、まぜそば専用の麺と絡めて提供する。好みに応じて「にんにくマシマシだれ」を加えることで、ピリ辛の味わいも楽しめる。キムチやねぎラー油などのサイドメニューとの組み合わせによる多彩な食べ方も提案。店内での税込み価格は767円、テイクアウトは税込み753円。

吉野家は今年、創業125年を迎えた。創業当初の牛丼には牛肉と玉ねぎのほか、タケノコや糸こんにゃくなども入っていたが、牛肉を多く食べたいというニーズの高まりを受け、現在の牛肉と玉ねぎのみというシンプルな構成へと進化したという。

同社は売上や利益以上に「客数の獲得」を重視しており、顧客からの支持率の指標として「客数獲得主義」を掲げている。この考えから「うまい、やすい、はやい」というコンセプトが生まれた。

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