丸の内でキッチンカーを展開
味噌・醸造製品でおなじみの老舗企業ハナマルキ(長野県伊那市)は、初のアルコール飲料と冷凍商品を開発した。6月27日に「Koji & Lemon Ale(こうじ&レモンエール)」と「こうじジェラート」を発売。2023年8月に立ち上げたオリジナルブランド「ハナマルキ醸造 麹 研究室」(ハナマルケン)から生まれた商品で、「液体塩こうじ」を使用している。新分野の開拓によって客層開拓を狙うほか、「おみそならハナマルキ」という既存イメージを超えた新たなブランド像の構築を目指す。
6月27~28日には丸の内ビルディング(東京・千代田)にキッチンカーを展開。顧客との直接的な接点を持つことでファンを増やし、寄せられた声を新商品開発にも生かしていきたい考えだ。
「Koji & Lemon Ale(こうじ&レモンエール)」(税込800円)と「こうじジェラート」(同300円)を発売。ECサイトや「みそ作り体験館」で販売
今回の新商品は「新たな食シーン」の創出を狙ったもの。伊那市にある「みそ作り体験館」には家族連れが多く訪れることから、その来館者にも喜ばれる商品としてエールとジェラートを開発した。
「Koji & Lemon Ale(こうじ&レモンエール)」は長野県のクラフトビール醸造所「In a daze Brewing(イナデイズブルーイング)」との協業によって開発。かねてから「塩こうじを使った飲料を開発したい」と考えており、発酵という共通点を持つエールとの組み合わせに至った。
夏向けの商品として、爽やかで飲みやすい味を目指した。果汁だけでなく香りも楽しめるよう皮ごとピューレにした「南信州レモン」と液体塩こうじを発酵・熟成させて作った。
商品企画においては、液体塩こうじがどのような化学反応を起こすかが未知数であったため、手探りでの開発だったという。多くのクラフトビールを試飲し、議論を重ね、ビールが苦手な人にも飲みやすいほか、ビール好きも満足できる味わいを実現したとしている。
マーケティング部コミュニケーション室長の國吉優子氏は「塩こうじの良さがしっかり生きており、これまでにない味わいが実現できた」と語る。