働く個人と組織の持続成長、鍵を握る「インターナルコミュニケーション」3つのポイント

従業員1人ひとりがイキイキと活躍できる環境を実現し、個人と企業が持続的に成長していくためには、インターナルコミュニケーションをどのように進化させていけばいいのだろうか。そうした課題意識のもと、ヤプリと宣伝会議が共同で発足した「インターナルコミュニケーション研究会」は5月28日、「インターナルコミュニケーション・デイ2025 Summer~風通しの良い組織・カルチャーを作り、『自分事化』を促すコミュニケーション戦略~」と題したイベントを開催した。冒頭の「オープニングセッション」では、研究会のアドバイザーであり、日本マイクロソフトやNECにおいてコーポレートコミュニケーションの統括責任者を務め、インターナルコミュニケーションに関する豊富な知見を持つ岡部一志氏が登壇。大手企業25社以上が集まる「インターナルコミュニケーション研究会」において、メンバーと議論する中で挙がってきた3つのポイントについて紹介した。

オープニングセッションで登壇した、岡部一志氏。

1.データをうまく活用し、経営と現場のハブに

1つ目は、インターナルコミュニケーションを推進する部門が、「経営層と現場の従業員をつなぐハブになる」という点だ。「働き手は、報酬、リモートワークの有無などの働き方、自己成長につながる働きがいというものに加えて、企業のミッションや経営の方向性などに重視して、会社を選ぶのが当たり前になった。現代では、企業価値の向上やサステナビリティ経営の観点から、経営トップも現場の従業員のエンゲージメント向上を重視し、経営層と現場の従業員の心理的距離が近くなり、信頼関係の育み方は変化している。その繋がりを強固なものにするために、インターナルコミュニケーションがますます重要となっており、推進する部門やメンバーが、経営層と現場の『ハブ』になることが大切」と岡部氏は話す。インターナルコミュニケーションの重要性を組織内で啓発し、盛り上げていくために重要なこととして、岡部氏は「データの活用」を挙げた。インターナルコミュニケーションの施策の結果、どのようなポジティブな変化が生まれているのかいないのか、どんなテーマが注目されているのか、どんな立場の人が見ても分かりやすい数値や現場の声を継続的に集め、経営方針や注力テーマに沿った形で分析し、データとして共有することで、インターナルコミュニケーション活動が推進しやすくなる。研究会に参加している企業の中には、エンゲージメントの指数や、社内イベントの参加者数、社内報のPV数などを業績状況と連動させた形で社内に公開したことで、成果や課題意識を共有できた事例もあったという。

2.共通で話せる話題をセットする

2つ目は、価値観が多様な従業員が集まる組織ほど「共通の話題」を用意することが求められる、という点だ。事業が多角化している企業や国内外にグループ会社のある企業、M&A直後の組織など、組織規模が大きくなり、多様性や地域性が広がるにつれ、インターナルコミュニケーションの難易度は上がっていくもの。岡部氏は、「注力する共通のテーマで目指すこと、会話できることをセットしておくことが重要。共通のテーマがあると、所属する部署や置かれている環境のバックグラウンドが違っても会話しやすくなる」と語った。組織内の対話を促す「共通のテーマ」の一例として、分かりやすいのはパーパスの推進やエンゲージメントスコアなどがあるが、その際にあえて「失敗例を共有し合う」機会を設けることも有効だという。「どの組織でも課題は持っているもの。成功例を称賛しあうことも重要だが、失敗例もオープンに共有されるような働きかけを行う。たとえ失敗したとしても難しい課題への挑戦を称える企業カルチャーを醸成していく、ONEチームとして課題をとらえ一体化を促すことで、他者から学ぶという経験にもなり、従業員のエンゲージメント向上も期待できる」と話した。

イベント会場は、東京・六本木にあるヤプリのオフィス。同社ではインターナルコミュニケーションに活用できるアプリプラットフォームを提供する。

3.マネジメント層を巻き込む重要性

3つ目は、「幅広く社内を巻き込み当事者意識を育む」ことだ。インターナルコミュニケーションを先導する部門は、組織の取り組みについて情報を共有し相互理解を促したり、従業員を表彰したりと、様々な取り組みを行っているが、そこに積極的にかかわる人たちを増やし、社内の多様な組織や人材を巻き込んでいく活動も必要だ。「特に、経営層と現場の従業員の間にいるマネジメントに携わる立場の人たちの意識を変えることが肝要。所属する部門のことだけでなく、企業全体のコミュニケーションについて本気で考えてもらえるよう、働きかけられるとよい。そしてマネジメント間におけるインターナルコミュニケーションの活性化や情報共有などを促すことも重要」と岡部氏は指摘する。マネジメント層への理解を促すためにも、先に挙げた「共通のテーマ」を用いた対話や、「データ」による情報共有を、積極的に実践していきたいところだ。

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