本連載の第1回、第2回では、日本発IPビジネスの現在地と、それを支えてきた「製作委員会方式」というビジネスモデルの構造、そしてその課題について整理した。
製作委員会方式には“リスク分散”“展開の多角化”という強みがある一方で、“決定の遅さや複雑さ”などの弱点もある。しかし、日本のIPホルダーがいま直面している課題は、もはや内部構造の問題だけではない。グローバル配信プラットフォームの存在そのものが、IPビジネスのルールを変え始め、支配構造を生み出しつつある今の状況とどう向き合うか、だ。
IP展開に欠かせない配信プラットフォームは脅威にもなりうる
私たちは「プラットフォーム」と聞くと、YouTubeやニコニコ動画のような、“コンテンツが集約され、並ぶ場”としてのイメージが思い浮かぶ。しかし、IP・コンテンツビジネスにおいて、プラットフォームは単なる“コンテンツ集約の場”ではない。その“場”を利用するパートナー(補完事業者:例 著作権を持つコンテンツホルダー、「アグリゲーター」とも呼ばれる集約・仲介事業者を含むコンテンツプロバイダー)やクリエイター、ユーザーを巻き込み、産業全体のイノベーションの方向性をガラッと変えるゲームチェンジャーとなっている。
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まつもとあつし(ジャーナリスト、研究者)
ジャーナリスト・研究者(専修大学文学部ジャーナリズム学科特任教授)。NPO法人アニメ産業イノベーション会議(ANiC)理事長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現職。ASCII.JP・Yahoo!ニュース個人などに寄稿。著書に「コンテンツビジネス・デジタルシフト」(NTT出版)「地域創生DX」(同文館出版)など。取材・執筆と並行してコンテンツやメディアの学際研究と教育を行っている。
ジャーナリスト・研究者(専修大学文学部ジャーナリズム学科特任教授)。NPO法人アニメ産業イノベーション会議(ANiC)理事長。ITベンチャー・出版社・広告代理店・映像会社などを経て、現職。ASCII.JP・Yahoo!ニュース個人などに寄稿。著書に「コンテンツビジネス・デジタルシフト」(NTT出版)「地域創生DX」(同文館出版)など。取材・執筆と並行してコンテンツやメディアの学際研究と教育を行っている。
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