「上手くなってる気がしない…」デザイナーが最初に失っているものとは?

フィードバックの価値は「深さ」ではなく「角度」

僕が思うフィードバックとは、「深さ」ではなく、「角度」です。

成長というと、もっと深く考えること、もっと掘り下げることだと思いがちです。でも、同じ方向にどれだけ深く掘っても、見える景色はあまり変わりません。

フィードバックの価値は、 自分が思ってもいなかった意識の外側からの視点を得られることにあります。

「あ、そういう見方があるんだ」
「この色もあったんだ」
「こっちに伸ばした方が気持ちいいかもしれない」

そういう別の角度からの視点をもらうこと。自分の思いつかない角度を1つもらうと、自分でも別の角度でものごとを考えられるようになります。 フィードバックは、考えを深めるためというより、見える方向を増やすためのものだと思っています。

僕自身、会社員時代にたくさんのフィードバックを受けました。上司だけではなく、クリエイティブに理解のある人が周りにいて、いろんな角度から見てもらえた。

自分で作っているものは、自分では分かりにくい。フィードバックを通して、少しずつ物差しを作っていった感覚があります。

僕がもらったフィードバックは、抽象度の高いものが多く、それがありがたかった。究極は上司が笑顔になる、ならないという2種類のフィードバックだと思います。できるようになったデザイナーにとっては、正直これくらいの反応でいい。

先ほどの安全なフィードバックとは真逆です。

具体的な答えはくれない。正直、その時はつらい。時間もない。どう直せばいいか分からない。そんな苦しい経験を何度もしました。でも、その中でもがいて自分なりの答えを出した、その時間こそが僕を育ててくれました。問いに向き合う中で、自分の中に基準ができていったんです。

「これは通っている」
「これはズレている」

物差しは、答えからではなく、問いから生まれました。

失っているのは、才能ではなく「視点」

「上手くなってる気がしない…」と思った時、デザイナーが最初に失っているものはなんでしょうか?

それは、努力でも、根性でも、才能でもなく、視点です。

自分では見えない方向からの視点。
本気で向き合われるべき問い。

今の時代、それは手に入りにくいものです。だからこそ、意識して取りにいくことが大事だと思っています。

「このままでいいのかな」という不安は、誰にでも起きます。その不安の正体が、「才能がない」ではなく「角度が足りない」だと分かった瞬間、打ち手は具体的になります。

伸び悩みは、才能の限界なんかじゃない。

本気で向き合い、違う角度からの視点をくれる問いに、出会っていないだけかもしれませんよ。

デザイナー養成講座 前田高志の鬼フィードバックコース

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前田高志

NASU
デザイナー/クリエイティブディレクター

大阪芸術大学デザイン学科を卒業後、任天堂(株)にて広告販促用のグラフィックデザインに従事。2016年に退社。2018年デザインの楽しさを追求するコミュニティ「前田デザイン室」を設立。同年、ビジネスに遊び心を活かすデザインファーム株式会社NASUを設立。主な著書に『勝てるデザイン』(幻冬舎)、『鬼フィードバック デザインのチカラは”ダメ出し”で育つ』(MdN)。主なクリエイティブワークは「BreakingDown」のアートディレクション、「街録ch」キービジュアルのデザイン、ドット絵ダウンロードサイト「DOTOWN」の企画とデザインなど。受賞歴は、NYADC、ONESHOW、 グッドデザイン賞入選、日本タイポグラフィ年鑑2022審査員賞など。

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