世界中の「いい音」を鳴らして遊べる体験型展示「OTO MART」が、4月29日から5月17日まで東京・原宿のPLAT SHIBUYAで開催中だ。本イベントは、CHOCOLATEとNTTドコモ・スタジオ&ライブによる共同プロジェクト「Sound Grounds」の一環として企画された。“音のスーパーマーケット”をコンセプトに、世界中から集めた500種類以上の音を自由に組み合わせ、オリジナルの楽曲制作を体験できる。本稿では、企画を担当したCHOCOLATEのプランナーであるMashinomi氏と小板橋瑛斗氏への取材に基づき、その企画意図と体験設計の裏側を紐解く。
「音楽番組」から「体験創出」へ。プロジェクトの原点と進化
本プロジェクトの起源は、数年前にNTTドコモ・スタジオ&ライブからCHOCOLATEへ寄せられた相談に遡る。「音楽業界に貢献できるような新しい事業を始めたい」という広範なテーマのもと、当初は映像を起点とした新しい音楽コンテンツの制作が検討されていた。
しかし、企画を担当したシンガーソングライターとしても活動するMashinomi氏は、既存の楽曲を紹介する従来の音楽番組とは一線を画すアプローチを提案した。それは、「音楽の楽しみ方自体を提案できるような新しい体験を提供する番組」というコンセプトだった。Mashinomi氏は、フェスなどでのもっと各々が自由に音楽を楽しんで、自発的でオリジナルなダンスを踊り出すような文化が醸成できたら素敵だなと感じていたという。ただ、「自由に楽しもう」と言われても、多くの人にとってそれは難しい。そのギャップを埋めるべく、「音と直接触れ合い、身体性を持った音楽体験」を番組内で提案するというアイデアが生まれた。
この構想に対し、NTTドコモ・スタジオ&ライブ側から「番組ではなく、体験そのものを作ってしまえばいいのではないか」という意見が出たことで、プロジェクトは大きく方向転換する。単なる視聴体験に留まらず、参加者が能動的に関わるフィジカルな体験を創出するプロジェクトへと進化したのである。