全広連地域広告大賞 最優秀賞に岩手日報社 東日本大震災の広告企画を教材化

全日本広告連盟は4月28日、地域の優れた広告コミュニケーション活動を称える第5回「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」の結果を発表した。145作品の応募の中から、最優秀賞およびキャンペーン部門賞に、岩手日報社による「最後だとわかっていたなら教育プログラム 3月11日を大切な人に『ごめんね』を言う日にも」(推薦協会:岩手広告協会)が選出された。

岩手日報社による「最後だとわかっていたなら教育プログラム 3月11日を大切な人に『ごめんね』を言う日にも」

岩手日報社では2017年から継続して、3月11日に広告企画「最後だとわかっていたなら」を展開している。今もなお全国で災害が頻発する中、東日本大震災の発生から14年(当時)が経過し、記憶の風化や震災を知らない世代への継承が全国的な課題感となっていた。

そこで同社は、本広告企画を教材として再構築。震災の記憶を風化させないことを目的として、誰もが使える教育プログラムとして再設計した。広告を「一過性の表現」にとどめず、新聞広告や映像が持つ感情喚起力を活用した「全国で使用される教育インフラ」に拡張した。

特に教育現場においては、未経験世代の教員の増加や復興教育を担うことへの不安感や、教員の慢性的な多忙さが社会問題になっている。これを受けて、本施策では教材だけでなく、学習指導案まで含めて開発。特設サイトを通じて無料で提供することで、教員の授業準備の負担軽減を図った。

岩手日報「最後だとわかっていたなら教育プログラム」_佐賀授業篇WEB_130秒_new_2025.3.11

本パッケージを使用した授業は、佐賀県の教員の協力によるモデル授業を皮切りに、新聞広告、テレビCM、SNSで展開。社員による出前授業も実施し、90以上の学校・団体で活用されている。

また、授業プログラムの立ち上げに加えて、3月11日を大切な人に「ごめんね」を伝える日として呼びかけるWeb施策を実施。関連動画のインプレッションは約700万回にのぼるなど、震災の風化防止と心理的な防災意識の喚起に大きな反響を生んだ。

本賞は、2021年度まで「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞/クリエイティブ大賞」として15回にわたり開催されてきたが、2022年度から名称を「鈴木三郎助全広連地域広告大賞」に変更し、内容をリニューアルした。

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