コンビニが、アパレル業界の新たな巨大チャネルになるかもしれない。日本経済新聞の報道によるとセブン‐イレブン・ジャパンが衣料品販売に本格参入するという。今秋からアンドエスティHD(旧アダストリア)と組み、Tシャツや靴下、マフラーなどを展開するとしており、中期的には駅ナカなどの極小店舗を除く全国2万店弱での販売を目指すという。
コンビニ衣料品をブランドとして育てた先駆者と言えるのがファミリーマートだ。同社のブランド「コンビニエンスウェア」は、2024年度の年間売上が130億円を突破。売上は毎年前年比130%を超え、2025年度は約200億円を見込む。コンビニはなぜ、服を買う場所になり得るのか。ファミリーマートが築いてきた新市場の成功要因を探る。
ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」
緊急需要から日常使いへ
ファミリーマートが「コンビニエンスウェア」を全国展開したのは2021年3月。コロナ禍による移動自粛やテレワークの広がりで、夜間の急なコンビニ利用が減り、従来のコンビニ衣料品も変化を求められていた。同社は、低価格でどこでも買えるというコンビニの利便性を生かしながら、暮らしを支える衣料品づくりを目指した。
特徴は、コンビニの棚に並ぶ商品でありながら、本格的なファッション性を追求した点にある。起用したのは、自身のブランド「FACETASM」を手掛け、毎日ファッション大賞の受賞やパリ・メンズ・ファッションウィークへの参加、リオオリンピック・パラリンピック閉会式の衣装制作などの実績を持つファッションデザイナーの落合宏理氏だ。ファミリーマートは落合氏とともに、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルなどを採用し、性別を問わず着用しやすいシルエットやサイズ感を追求した。
こうした取り組みにより、「コンビニエンスウェア」は2021年度グッドデザイン賞を受賞。審査員は、コンビニで扱われる衣料品がこれまで補助的な存在だったのに対し、このシリーズが衣料品を見つめ直し、ひとつのブランドとして昇華させようとしている点を評価した。
