投票用紙でおなじみ「ユポ」が社名変更 業績堅調のBtoB企業がリブランディングする理由

ユポ・コーポレーションが、2026年7月1日付で社名を「株式会社ユポ」に変更した。国政選挙のたびに「投票用紙の書き心地がいい」とSNSなどで話題になる合成紙「ユポ」を製造・販売する企業で、国内シェアはトップ。社名変更自体は4月1日付のリリースで既に発表されており、7月1日はブランドロゴと新コンセプト「Value Co-Creator」を披露するリブランディング発表会が本社で開かれた。

(写真左から)戦略企画本部長の宮口卓也氏、代表取締役社長の内藤勝弘氏、エイトブランディングデザイン西澤明洋氏。

(写真左から)戦略企画本部長の宮口卓也氏、代表取締役社長の内藤勝弘氏、エイトブランディングデザイン西澤明洋氏。

国内の紙需要が減少する中でも独自のニッチ市場を維持してきた同社が、なぜこのタイミングで社名変更を含むリブランディングに踏み切ったのか。同社代表取締役社長の内藤勝弘氏、戦略企画本部長の宮口卓也氏、リブランディングを手掛けた西澤明洋氏(エイトブランディングデザイン代表)に話を聞いた。

合成紙「ユポ」とは

ユポ紙はポリプロピレンと炭酸カルシウムを主原料とする合成紙で、高い耐久性や耐水性を活かし、ラベルや屋外広告、選挙ポスターなど幅広い用途で使われている。

合成紙自体は、1960年代に森林資源の枯渇への懸念から国が育成を提言し、複数の企業が同時期に開発・商業化を進めた素材だ。その後2度の石油危機で多くのメーカーが撤退する中、同社は“天然紙の代替品”ではなく、“天然紙にはない機能性”を訴求する高機能素材へと方針を転換し、事業を継続。現在世界80カ国以上で導入されている。

業績は堅調も、原料調達に新たな不確実性

リブランディングの背景には、デジタル化の進展で印刷・出力市場が減少していることと、社員の現状維持意識が根強く残っていることがあった。加えて、原料調達を取り巻く環境の不確実性が改めて高まっていることを、今回の経営戦略見直しの背景のひとつに挙げた。

内藤社長は「世の中の流れは激しく、混沌としている。世代が変わっていく中で、培ってきた歴史に甘んじるわけにはいかない」と述べ、現状維持への危機感を今回のリブランディングの出発点として説明した。

「合成紙」から「クリエイティブ素材」への再定義

同社は今回、自社を「合成紙メーカー」ではなく「クリエイティブ素材を扱う企業」と再定義した。

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