イオンは7月29日、最大震度7を観測した熊本地震後に「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)で発生した爆発事故について、熊本市内で記者会見を開いた。事故翌日、吉田昭夫社長が現地に入り、低姿勢で謝罪するとともに、確認できている事実と未確認事項を分けて説明した。厳しい質問にも落ち着いて答える姿は、SNSでも高く評価された。
アステリア執行役員コミュニケーション本部長で、広報勉強会@イフラボ主宰の長沼史宏氏も、今回の会見を「成功だった」と評価する。なぜ、イオンの会見はこれほど高く評価されたのか。開催のタイミングや吉田社長の受け答え、運営面の課題について聞いた。
現在休業中のイオンモール熊本のWebサイト
原因不明でも早期開催
長沼氏がまず評価したのは、詳しい事故原因の判明を待たず、事故翌日に会見を開いた判断だ。この時点では、爆発原因やLPガスの緊急遮断装置の作動状況など、明らかになっていない事項も多かった。
そのうえで、現状で分かっている範囲を説明し、会社としての姿勢を示した。「初動会見として非常に適切な判断だった」という。
事故翌日の段階で、原因や設備の詳細まで判明していないのは当然であり、無理に多くの情報を説明する必要はないと指摘。「『現時点で判明している事実を説明すること』と『社会に対して誠実に向き合う姿勢を示すこと』を主眼に置き、速やかに会見を開いた判断は高く評価できる」と話した。
今回の事故では、イオンモール熊本の甚大な被害を伝える映像が全国で繰り返し報道された。映像が流れるたびに、イオンの施設やブランドに対する不安やネガティブな印象が広がる可能性もあった。
そうした中、経営トップが早期に社会へ説明し、謝罪と対応方針を示したことには、地域や顧客、取引先からの信頼を維持し、ブランドの毀損を抑える意味もあったと長沼氏は見る。
時系列で説明した冒頭声明
会見冒頭における吉田社長の声明や姿勢についても、長沼氏は「非常に良かった」と評価した。
危機管理会見の冒頭では、何が起きたのか、会社が現状をどのように認識しているのか、何を最優先に対応しているのかを簡潔に示す必要がある。
