電通グループ、中計を1年延長 海外の立て直し優先、M&A抑制しAI投資へ

電通グループは8月14日、2026年12月期中間決算と中期経営計画のアップデートを発表した。中計は従来の2025~2027年度の計画を2026~2028年度の計画として再設計。収益性の回復と財務健全化を最優先に掲げ、海外事業の再編やグローバル本社機能の縮小を進める。

国内好調、米州はマイナス成長

2026年1~6月期の売上総利益は前年同期比3.7%増の5830億6800万円、調整後営業利益は同6.6%増の719億8200万円だった。売上総利益のオーガニック成長率は0.3%。電通銀座ビルの譲渡益などにより、営業損益は前年同期の365億4500万円の赤字から838億6900万円の黒字に転換した。

国内事業は好調を維持した。日本のオーガニック成長率は5.0%で、インターネット広告やテレビ広告、DX、BX、スポーツ&エンターテインメントが成長。調整後営業利益は上半期として過去最高の604億900万円となった。

一方、米州のオーガニック成長率はマイナス5.0%。円安の影響により売上総利益は前年同期比1.5%増の1561億2900万円となったものの、為替影響を除く実質的な減収などにより、調整後営業利益は同11.8%減の293億9800万円だった。電通グループは、大型案件を巡る競争激化などにより、売上成長と利益率が圧迫されているとの認識を示した。

海外法人を追加で最大160社削減へ

中期経営計画では、従来掲げていた基本方針を維持しながら、達成時期や施策を見直した。2028年度の目標として、オペレーティング・マージン16%、オーガニック成長率2~3%を掲げる。

経営基盤の再構築では、2027年度に500億円超のオペレーティング・コスト削減を達成する見通し。さらに2028年度までに、グローバル本社コストを2026年度計画比で30%程度削減する。2021年1月時点で1000社以上あった海外事業法人は、2026年1月までに半減した。2026年度中に70~80社程度を減らし、2028年度までにさらに50~80社程度の削減を検討する。

海外の不振事業については、従来2026年度としていた「赤字マーケットゼロ」の達成時期を2027年度へ変更した。投下資本の規模にかかわらず、不採算市場の事業再編や撤退に必要なコストを算出し、優先順位を付けて改革を進める。2028年度には日本、米州、EMEA、APACの全4地域が株主価値向上に貢献する状態を目指す。

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