マレーシアで子どもの発達支援するスタートアップ、「専門家のいない」国の発達健診をAIで「あたりまえ」に

マレーシアには、日本のように全ての子どもが受けられる発達健診の制度がない。その空白を埋めようと、子どもの発達支援に取り組んでいるのが日本発のスタートアップ、トイエイトだ。同社では2022年から、AIとゲームを駆使しデータを蓄積する発達健診と早期介入プログラムを提供している。

専門家不要の健診キット

トイエイトは、マレーシア・クアラルンプールを拠点に、東南アジアで子どもの発達支援に取り組む日本発のスタートアップだ。日本では1歳半、3歳健診などの発達健診が義務化され無料で受けられるが、東南アジアの多くの国にその制度はない。マレーシアでは2歳までの予防接種を終えると、小学校に入るまで医師にかかる機会がほとんどなく、発達の遅れを診断できる医師も国内に5人ほどしかいない。

トイエイトが2022年から提供するのは、専門家なしでできるデジタルの発達健診と発達支援だ。専用のフィジカルキットにスマートフォンを差し込み、子どもがゲームを遊ぶ。3歳から5歳を対象に、言語や認知、運動、社会性などを約20分で測定する。その結果、遅れが見つかった10~15%の子には、1日15分の早期介入プログラムを半年間にわたり提供する。

健診から早期介入プログラムまで、一気通貫で提供する
健診から早期介入プログラムまで、一気通貫で提供する
健診から早期介入プログラムまで、一気通貫で提供する

健診から早期介入プログラムまで、一気通貫で提供する。

「日本では保健師、海外では臨床心理士が行う健診を、幼稚園の先生がボタンを押すだけで完結できるようにしました」と、プロダクト&サービスデザインディレクターの村上雄紀さんは説明する。

体験設計とAIで支える「習慣化」

病院での健診は、子どもが緊張して本来の力を出しにくい。「遊んでいるところで『ゲームをやろう』と呼んでもらい、20分遊んだら健診が終わっている仕組みをつくりました。ナレーションの速度や記憶時間が一律のため、実施者による結果の差が出にくいです」(村上さん)。ブロックを積んだ高さや紙に描いた線の歪みはカメラで録画され、AIがスコア化する。採点の半分以上が自動化されており、テクノロジーが健診の精度の高さを支える仕組みが確立されている。

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