「見えない資産」を成長ストーリーへ ブランド・エクイティ・ストーリーカンファレンス開催レポート(2026年8月25日)

宣伝会議は2026年8月25日、「ブランド・エクイティ・ストーリーカンファレンス」を開催した。

ブランドや人的資本、企業文化、知的財産など、企業や地域が持つ「見えない資産」を、どのように事業成長や企業価値へとつなげていくか。本カンファレンスでは、自社が培ってきた無形の強みを、株主・投資家をはじめとするステークホルダーが理解できる成長ストーリーへと翻訳する「ブランド・エクイティ・ストーリー」をテーマに、4つのセッションを実施した。

当日は、非財務価値の把握、パーパスと成長ストーリーの接続、地域資産と投資、市場からの認識と企業価値など、それぞれ異なる切り口から「見えない資産」の生かし方を考えた。

非財務価値をどう捉え、事業価値につなげるか

レヴィング・パートナー代表取締役・中小企業診断士の寺嶋直史氏は、「『見えない資産』が企業価値を決める時代。ビジネスDDを活用して非財務価値を明確化し、ブランド力を高めて成長に活かす手法」をテーマに登壇。ブランド、人材、組織基盤、企業文化、顧客基盤、商品・技術力など、財務数値だけでは捉えにくい企業の価値をどう把握し、成長につなげるかを紹介した。

また、ブランドを顧客が企業や商品・サービスに対して抱く「価値イメージ」と捉え、その価値を高め、浸透させていく考え方、その実践方法についても解説した。

レヴィング・パートナー 寺嶋直史氏

「思想(パーパス)」を成長ストーリーへどう翻訳するか

インパクトスタートアップ協会代表理事の星直人氏は、「『思想(パーパス)』を『エクイティストーリー』に翻訳する」をテーマに登壇。自身が財務戦略顧問を務めるヘラルボニーを例に取り上げつつ、パーパスや社会的価値を、事業上の強みや成長性と結びつけて株主・投資家に伝える考え方を紹介した。

セッションでは、企業の独自性を言語化することの重要性や、定性的な価値についても可能な範囲で定量的に示していくことなど、成長ストーリーを組み立てる際の視点が示された。

インパクトスタートアップ協会 代表理事 星直人氏

地域に眠る無形資産を、事業・投資へつなぐ

瀬戸内ブランドコーポレーション投資事業本部部長の林真人氏は、「地域に眠る無形資産を『エクイティストーリー』へ翻訳する技法」をテーマに登壇。歴史や文化、コミュニティといった地域固有の無形資産を、観光戦略や事業、投資へとつなげるせとうちDMOの取り組みを紹介した。

地域の将来像や観光戦略、事業性、財務計画、地域への波及効果などを踏まえながら、地域固有の価値を投資可能な事業へどう接続するかがテーマとなった。

瀬戸内ブランドコーポレーション 林真人氏

市場からの「見られ方」と企業価値の関係を考える

デロイト トーマツ Brand Strategy パートナーの白土学氏、同ディレクターの額田康利氏は、「市場の認識が企業価値を左右する ~変革を加速するブランド戦略~」をテーマに登壇。企業の実態と市場からの認識との間に生じるギャップに着目し、顧客、人材、パートナー、資本市場という複数の市場に対して、自社がどのように認識され、選ばれたいのかを考える視点を紹介した。

また、市場からの認識の変化を、ステークホルダーの行動や事業KPI、財務KPIを通じて企業価値へとつなげていく考え方も示された。

デロイト トーマツ 白土学氏

デロイト トーマツ 額田康利氏

4つのセッションでは、企業や地域が持つ「見えない資産」を、いかに発見・整理し、事業や投資、市場とのコミュニケーションにつなげていくかを、それぞれ異なる視点から取り上げた。無形の価値を成長ストーリーへと翻訳するための多様なアプローチが共有された。

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