企業間の“本音”をつなぎ、新たな価値を生む 「レディクル」が変えるビジネスマッチングの本質と未来

ビジネスパートナー選定や外注先の開拓では、「自社に本当に合った会社が見つからない」「相談先がいつも同じ顔ぶれになってしまう」といった課題も少なくない。フロンティアが展開するビジネスマッチングサービス「Ready Crew(レディクル)」は、独自のアプローチで企業同士をつないでいる。常務取締役CMOの田中翔理氏に、同社の理念や主にマーケティングや広告業務における「レディクル」活用のメリット、そしてAI時代における事業の未来像について聞いた。

avatar
田中翔理 氏

フロンティア 常務取締役CMO

大阪大学卒業後、海外法人の管理業務に従事。その後、クリエイティブディレクター、外資系Fintech企業でマーケティング責任者を務めたのち、デジタルマーケティング分野で起業を経験。2020年フロンティア入社。マーケティング戦略、ブランド企画、社内業務のデジタル化を推進し、2021年より取締役就任、2023年10月から現職。

抽象的な課題を紐解き、表に出ない「実力派」とつなぐ

「合う会社と、会う。」を掲げるレディクルは、発注企業と受注企業をつなぐビジネスマッチングサービス。Webサイトや広告の制作、イベント運営や広告運用といった、マーケティング部門が日ごろかかわる業務でも幅広く活用されている。

通常の流れは以下の通り。発注先を探している企業がレディクルに問い合わせると、15~30分程度のヒアリングを経て要件を整理し、業務内容や発注元の要望にあった企業を複数紹介する。フィーは仕事を受注する企業から受け取る仕組みのため、発注企業は無料で紹介を受けることができる。

要件が明確に定まってなくても相談可能なことも特長だ。日々の業務において、「SNS運用を強化したいがどうすべきか」「予算の最適な使い方がわからない」といった抽象的な悩みを抱える担当者は多い。レディクルでは、そうした相談をそのまま受け取るのではなく、課題の抽象度を一段上げ、目的から一緒に考えてみる。

「SNSを強化したい」といった相談であっても、目的から考えればイベントなど別の施策が適している可能性もある。田中氏はこれを「凝り固まった思考をほぐすコーチングのようなもの」と表現する。

「その上で、基本的には3〜5社を紹介しますが、発注者の希望に応じて社数は調整します。無理にマッチングすることはありません。また、受注側は面談ごとに費用が発生するため、結果的に案件への真剣度が高い企業が集まりやすいのも特徴です」(田中氏)

表に出てこない「実力派パートナー」と出会えることも大きな魅力といえる。例えば、大手広告会社の2次請けなどを中心に手がけているため、自社のWebサイトで事例や実績を公表できない優良企業が数多く存在する。レディクルには、こうした腕は確かだが知られていない事業者も登録しており、通常のリサーチでは見つけにくい「力のある事業者」と出会えることもメリットだという。

“思い”をすり合わせるから適したパートナーが見つかる

運営するフロンティアは、もともと「受注側」に当たる企業の営業代行をビジネスとして創業した経緯がある。一般的な営業代行は、売り手の商材を顧客へ売り込むスタイルが主流だ。一方で同社は、発注者(買いたい側)のニーズを起点とする「プル型」のアプローチをとってきた。日頃から定期的に電話や訪問で接点を持ち、発注のタイミングを捉えて案件を集めていく。

さらに特徴的なのが、受注側(パートナー企業)への徹底したヒアリングである。「レディクル」では、契約するすべてのパートナー企業に一度オフィスへ来社してもらい、2時間程度をかけてじっくりと面談を行う。

「単なる条件やスペックでのマッチングはしません。私たちは予算規模によってフィーが変わる仕組みではないため、あらゆる案件でフラットな議論ができるのも強みです」(田中氏)

企業と企業の間に立つことで本音を引き出す

企業と企業の間に立つからこそ見えることや、果たせる役割があると田中氏は話す。ネットワークの隙間に位置する者が優位な情報を得る「ストラクチャル・ホール理論」を例に挙げて説明する。

「企業と企業の間にいるからこそ、お客様が言葉にしていない『言外の意図』を解釈できます。例えばお断りの理由が『金額が合わなかった』と丸められがちですが、実際のところは『提案のニュアンスがズレていた』『担当者の身だしなみが気になった』といった本音があったりする。

いい仕事をする会社かもしれないのに、もし担当者と合わないから仕事につながらなかったらもったいないですよね。こうしたミスマッチを未然に防いだり、真摯なフィードバックをしたりすることで、発注者と受注者を結ぶより良い環境づくりができると考えています」(田中氏)

紹介する案件は「総額100万円以上」または「発注企業の従業員数30人以上」を基本的な対象としている。受注側には明確な基準を設けていないものの、一定の実績がある企業を想定しているという。発注者側も受注者側も等しくリスペクトし、「誰かを幸せにしない仕事は長続きしない」というスタンスが、同社の介在価値の根底にある。

「DX化」の波と、AI時代の「成果重視」へのシフト

こうしたビジネスを成り立たせるにあたって、レディクルの「コンシェルジュ」と呼ばれるスタッフの存在が欠かせない。

例えば、昨今は「マーケティングチームや業務のDX化を進めたい」「AIを使って業務を内製化したい」と経営層から現場にトップダウンで降りてくる相談も増えているという。ただし、顧客が口にする課題と、実際に予算がついている課題が一致するとは限らない。

「お客様の口にする課題に、必ずしも予算がついているとは限りません。言われたままに『DX化しましょう』と提案するのではなく、『果たしてそこに予算はあるのか? 本質的な課題は何か?』を見極め、優れた問いを立てる能力が私たちには求められます」(田中氏)

また、AIの台頭により、ビジネスマッチングのあり方も大きな転換期を迎えている。

「AIによって、いわゆる『作業』にかかる労力やコストは大きく下がっています。例えば広告制作の現場では受注単価の低下が話題になることがありますが、その行き着く先には制作点数や時間をベースに発注者に請求するのではなく、『そこから生まれた成果にお金を払う』という報酬体系に移行していくかもしれません。発注者側から見ると、アウトカムを明確に出してくれる会社を求める流れが来ると思っています」(田中氏)

残すべき「職人芸」と、人間ならではの「コンテクスト」

Web制作や簡易なシステム開発など、知識・スキルの移転を中心とする領域では、今後AIによって案件ニーズが整理されていくと田中氏はみる。だからこそ「レディクル」は今後、福祉や物流、サービス業といった人手が不可欠な「物理的な世界」へのマッチング強化を視野に入れているという。その一方で、クリエイティブの領域においては、人間ならではの高度な判断を伴うクリエイションや職人芸ともいわれる分野が生き残り続けると田中氏は強調する。

「コンテクストや文脈、意図のようなものが、いわゆる『職人芸』なのだと思います。極論になりますが、『何を言ったか』よりも『誰が言ったか』の方が重要になることもある。そういう世界観は、私たちも大事にしたいと思っています」(田中氏)

AIによって「できること」が急速に広がれば、企業が外部に求めるものも変わっていく。その中で、発注者の言葉にならないニーズをくみ取り、AIでは代替しにくい価値を持つ事業者と結びつける。そのために「問い」を磨き、企業同士の間に立ち続けることが、レディクルが今後も担おうとしている役割といえそうだ。

お問い合わせ

フロンティア株式会社

住所:〒150-6017
東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー17階
TEL:03-4216-1111
Mail:marketing@frontier-gr.jp
URL:https://readycrew.jp/

advertimes_endmark
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事