上場100社の人的資本開示調査 採用情報側への展開は3割未満

トライベックは、非製造10業界の上場企業100社を対象に、企業サイト上で人的資本情報がどこに掲載されているかを調査した。基本属性・働き方・成長活躍に関する10項目について、「企業情報」「採用情報」のいずれに掲載されているかを確認している。調査期間は2026年7月20日から29日まで。

グラフ
グラフ

基本属性は最大84ポイントの差

人的資本情報10項目の掲載率は、企業情報側で90.3%に達した一方、採用情報側は27.9%にとどまり、情報の届け先に大きな差が確認された。基本属性データで見ると、企業情報側での掲載は社員数が100%(100社)、平均年齢98%(98社)、男女比93%(93社)、職種別構成82%(82社)。これに対し採用情報側は社員数43%(43社)、男女比31%(31社)、平均年齢14%(14社)、職種別構成3%(3社)にとどまり、平均年齢では両者に最大84ポイントの開きが生じている。

働き方データも同様の傾向

働き方・定着データでも傾向は変わらない。企業情報側では育児休業取得率99%(99社)、離職率・定着率80%(80社)、有給休暇取得率77%(77社)と高水準だが、採用情報側は育児休業取得率32%(32社)、有給休暇取得率27%(27社)、離職率・定着率13%(13社)にとどまった。成長・活躍データでは育成制度・女性管理職比率が企業情報側で各100%(100社)。採用情報側は育成制度のみ67%(67社)と突出する一方、女性管理職比率は20%(20社)だった。

課題は情報の「届け先」

一方、情報の見せ方については、HR情報を数値と説明の双方で示す「バランス型」が58社、数値中心の「データ的」が42社で、「説明的」「情報がない」に該当する企業はなかった。全100社が人的資本情報を数値で開示しており、数値開示の作法自体は定着している。同社は、人的資本開示が有価証券報告書や統合報告書などIR文脈の要請を起点に進んできたことを指摘。「人材こそが企業価値の源泉」と発信される一方、その裏付けデータが求職者の目に触れる採用情報側にはほとんど展開されていない非対称があるとしている。

その上で、整備済みのデータを採用情報側へ展開する余地は大きく、情報の「届け先」の再設計が、採用競争力と信頼構築の観点から次の論点になると分析している。

【調査概要】
トライベック「企業サイトの『人的資本・社員情報』開示トレンド調査」/調査対象:非製造10業界(情報通信、卸売、小売、銀行、証券、保険、金融、不動産、サービス、その他製品)の上場企業計100社の企業サイト

サムネイル画像:123RF

advertimes_endmark
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事