企画に役立つ書籍の著者であるお二人に「企画に向いているタイプとは?」をテーマに対談していただきました。
【連載】「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」――福里真一
1、はじめに
2、第1回「電信柱の陰からおずおずと語りはじめる」
3、第2回「幼稚園では藤棚の柱の陰だった」
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(1)
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(2)
特別対談「企画術は本当に役立つのか?」(3)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(1)
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(2) ー こちらの記事です。
特別対談「企画に向いているタイプとは?」(3)
コピーライター
谷山雅計氏(『広告コピーってこう書くんだ!読本』著者)
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CMプランナー
福里真一氏(『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』著者)
個性は結果としてにじみ出るもの
――「明日があるさ」の企画ができた時、「これはヒットする!」という確信はあったんですか?
福里:
できた瞬間に「いいものができた!」と思ったかといえば、そんなことはまったくなく、「ちょっとベタなCMかもしれない」という感じでした。
谷山:
2000年当時は、人間の感情のひだを描くような。ちょっと暗めのトーンで、ドキッとするような一言を言うみたいなCMがブームでしたよね。
福里:
ええ。深い人間描写を競う感じで…。僕もそういうCM好きでしたし。
谷山:
そこに「明日があるさ」が流れてきた。
福里:
オンエアが始まるやいないや、すごい反応で、そこで初めて「これ、うまくいっちゃったんじゃないの?」と思ったんです。
谷山:
本の中でうまくいってなかった時の福里さんは、自分らしさに固執していたと書いてますよね。自分らしさが自分の可能性を狭めてしまうことになるのではないか、と。同じような話を僕は学生時代に川崎徹さんから教わったんです。
「自分が知っている自分なんて、自分の中のごく一部。商品やクライアントが求めてくることに対し、どうにか答を見つけようとする中で、自分にも気づかない自分が出てくる」という話を聞いて。
川崎さんこそ、自分らしさにこだわっている人だと誤解していたので、すごい衝撃的で感銘を受けたんです。
