講演者
- 栗坂 達郎(ソフトバンクモバイル株式会社執行役員 マーケティング・コミュニケーション本部 本部長)
イメージキャラクターとしてSMAPから犬、ロボットまでを起用するソフトバンクモバイルのCM好感度は今年で7年連続1位を獲得しています。2006年に「ソフトバンク」としてブランドがスタートし、社長の孫の「通常10年かかるブランド作りを1年で」という言葉を受け、マーケティング活動が始まりました。8年間の活動とともに当社のクリエイティブ戦略を紹介します。
「ソフトバンクの携帯電話を持っていることがカッコいい」というイメージ作り
まず取り組んだのが、ブランドのイメージ作りでした。携帯電話のブランディングは、「持っていることが誇りである」「カッコいい」と思ってもらうことが大事です。そのため当社では「ソフトバンクの携帯電話を使っていることがカッコいい」というイメージの確立を目的に、タレント広告を打ち出しました。2006年スタート当初のブラッド・ピットやキャメロン・ディアスを起用したCMでは、ナレーションやセリフは入れずに大スターがただ歩いて話している姿で「究極のカッコよさ」を表現し、認知度を高めました。2009年には国民的トップスターであるSMAPの起用によって新参者でなくなったというブランド感を表現し、CM好感度が最高値を記録しました。スタジオや踊りなど一流感にこだわって制作したため費用がかさみましたが、普通のCMの3、4本分の効果を獲得し、目標としたイメージの確立に大きく貢献しています。
マイナスイメージを回避し、新たなプラスイメージを与える
一方で、「カッコよさ」の追求は消費者に「気取っている」というイメージを与えてしまう可能性があります。そこで次に訴求したのはユーモアのある「親しみやすさ」です。当時はハリウッドスターを起用したCM展開後のために予算はなかったのですが高いKPI設定が目標となり、生まれたのが「白戸家」シリーズです。キャストの上戸彩さんがソフトバンクBBのイメージキャラクター、ダンテ・カーヴァーさんが以前のCMにエキストラ出演していたことによってソフトバンクに関連するイメージをすでに築いていたことと、国民の半数以上が「犬好き」と答える日本において犬を中心にキャストを組むことで低予算のCMが制作できました。結果、白戸家シリーズは歴代CM好感度ランキングのトップ10に6作品が入るほど人気を獲得しています。
また、白戸家CMの人気にあやかったお父さんの販促グッズはサービスのイメージ向上、来店誘因にも大きく貢献しています。
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