前回のコラム「スマホとソーシャルが、すべてのメディアを映像に導く」はこちら
連載「ビデオコミュニケーションの21世紀」。ここではテレビもネット動画も含めて、映像全般の話をしていきます。中でも、テレビが今後どうなるのかは、多くの人が気になるし、経済への影響も大きいでしょう。今回はテレビを中心に書き進めます。
テレビについて話していると、時々話がかみ合わなくなることがあります。テレビという言葉に、私たちは乱暴にたくさんの意味を負わせてしまっているからです。テレビ局がつくるテレビ番組を、テレビ放送システムを通してテレビ受像機で視聴する。これらすべてをいっしょくたに「テレビ」と呼んでしまっています。それは、番組と伝送路と受像機がこれまで一体となっていたので気にならなかったせいでしょう。
でも、例えばスマートフォンで昨日見逃したドラマを視聴するとき、それはテレビなのでしょうか。テレビではないデバイスで、テレビ放送を介さずに、見ているのはテレビ番組。「スマホでテレビを見る」という、不思議な状態です。テレビで見ていなくてもテレビって言うのかよ、とツッコミたくなる。
でもこの「スマホでテレビを見る」行為は、これから当たり前になっていきそうです。AdverTimesの読者ならご存知と思いますが、日本テレビが1月から見逃し無料配信サービスをはじめました。10月にはTBSも同様のサービスを開始し、フジテレビも2015年1月からスタートすることを発表しています。