送信者名義を偽った「なりすまし」電子メールの撲滅に、インターネット・プロバイダー(ISP)やメール配信代行会社が動き出した。インフォマニア、センドメール、ニフティ、パイプドビッツ、ヤフー、楽天の6社は15日、送信ドメイン認証技術「DKIM(DomainKeys Identified Mail)」導入の啓発、普及を目指す団体「Japan DKIM Working Group(ジャパン・ディーキム・ワーキンググループ)」を設立した。2011年1月をめどに導入形態の標準ガイドラインを作成、「2年間ほどをかけて普及にあたり、実績を公表したい」(事務局)とした。設立にあたり18社が参加を表明している。
総務省が電気通信事業者15社の協力でとりまとめた迷惑メールの数は、9月時点で112億通。通常のメールと合わせ全体では165億通で、実に67.61%を迷惑メールが占める。4月の64.58%から4カ月連続で比率が上昇していたが、9月は下がった。ここ1年間でのピークは09年8月の72.09%で、157億通中114億通が迷惑メールだった。
これまでも迷惑メールを防止する技術はあったが、送受信双方の事業者が導入するDKIMは、とりわけ強固だという。なりすましメールで起きる犯罪の排除や、送り手の信用失墜を防ぐため、事業者間では喫緊の課題とされる。またISPや配信代行業者にとっては「迷惑メールで送信サーバーの負荷が高まることも頭痛の種」(関係者)との声もある。
電気通信事業者、送信事業者、広告事業者、配信ASP事業者、セキュリティベンダー、各関係団体、消費者、学識経験者、総務省などからなる「迷惑メール対策推進協議会」は09年10月、対策ハンドブックを作成。DKIMを含む送信ドメイン認証技術導入にあたっての注意点をマニュアルとしてまとめ、普及に努めていた。
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