博報堂DYホールディングスは10日、海外の広告会社買収を進める組織「kyu(キュー)」を通じ、米デザインコンサルティング会社IDEO(アイデオ)の株式を30%取得し、持分法適用会社にしたと発表した。現幹部は続投し、独立して経営を続けるが、将来的には博報堂DYHDが株式の過半数を取得することも視野に入れる。
IDEOは1991年設立。米アップルの初代マウスやパーム社のPDAなどのデザインで知られるが、近年では工業デザインにとどまらず、教育システムや医療、政府などの分野まで領域を広げている。東京のほか世界に10カ所の拠点があり、600人超が所属する。
IDEOのティム・ブラウンCEO兼取締役社長は、同社がデザインする対象の拡大と、人工知能や遺伝子工学、モノのインターネット化(IoT)など技術の進化を踏まえ、「デザインを取り囲む壁を壊さねばならない。また、異分野の才能とのコラボレーションや、これまでにないレベルのリソース・実行力の拡大が必要だ」と述べ、「kyuに参加する各社と共同で、従来よりも大きな課題に取り組めるようになることは歓迎したい」とした。
ここ数年でIDEOのようなデザインコンサルティング会社を取り込む動きが続いており、2015年にはIDEOと肩を並べるLUNARをマッキンゼー・アンド・カンパニーが買収した。ことし2月には、IBMがドイツのデザイン会社を2社、相次いで買収したことを発表した。
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