【前回コラム】「“戦略迷子”にならないために、これだけは知っておきたい7つの戦略“流派”。」はこちら
本記事は、4月に発売された『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』(宣伝会議刊)の著者で、戦略プランナーの磯部光毅氏による短期コラムです。併存する様々なコミュニケーション戦略・手法を7つに整理し体系化した本書籍の内容を紹介すると同時に、それを仕事に生かす方法を解説します。
、コミュニケーション戦略は“7層構造のミルフィーユ”になっていると書きました。人をどう動かすか?その哲学、根っこにある考え方の違いによって、コミュニケーション戦略は「ポジショニング論」「ブランド論」「アカウントプランニング論」「ダイレクト論」「IMC論」「エンゲージメント論」「クチコミ論」の7つに整理されます。これらは時代ごとに移り替わったのではなく、次々と生まれた新しい理論が、積み重なっています。書籍『手書きの戦略論』では、各戦略論の歴史的変遷(大河ドラマを見るように楽しんでいただけるはずです)、プランニングの基本や事例などを載せていますが、今回はそのエッセンスを知りたいという方のために、そのうちの3つ「ポジショニング論」「ブランド論」「アカウントプランニング論」のポイントを切り出して解説します。
重要なのは、ホワイトスペース探しではなく軸の発見
1. ポジショニング論:「違い」が、人を動かす。
顧客のニーズを汲み取りながら、お客さんの頭の中で、競合と違った位置づけを得る戦略であり、自ブランドにとって有利に働く競争軸を発見することが大切。
顧客のニーズを汲み取りながら、お客さんの頭の中で、競合と違った位置づけを得る戦略であり、自ブランドにとって有利に働く競争軸を発見することが大切。
アドタイを読まれている方は、ポジショニングは知っているよ、という方が多いですよね。1980年代までのコミュニケーションでは、戦略≒ポジショニング論だったと言えるくらい伝統的なアプローチ。細かい説明は書籍にゆずりますが、ここでは、知っていると思われていても実は意外と誤解されがちなこの戦略論の大切なポイントを2つ挙げておきます。