今回の仕事人
今回たずねた
仕事人は…マネーフォワード代表取締役社長CEO・辻庸介さん
ベンチャー、クラウド、フィンテック…。「非進化論」的には馴染みの薄い言葉ですが、ひとつの革新的なサービスが、暮らし方そのものを変えてしまう。そんなことを実感する瞬間は、劇的に増えてきましたよね。そんなイノベーションを巻き起こす金融ベンチャー企業のひとつに、マネーフォワードさんがあります。創業から4年余り、進化のスピードを加速させながら、エネルギッシュに新しい金融サービスを生み出し続けるマネーフォワード。実はスタートアップの際に会社名をつけさせていただいた、ゆかりの深い方々なんです。
マネーフォワードという集団に僕が魅せられているのは、とにかくストイックなこと。そして、社員の方々の人柄が素晴らしいこと。今回は、古くからの友人でもある社長の辻庸介さんにお時間をいただいて、仕事と生き方について、じっくりとお話をさせていただきました。
マネーフォワードという集団に僕が魅せられているのは、とにかくストイックなこと。そして、社員の方々の人柄が素晴らしいこと。今回は、古くからの友人でもある社長の辻庸介さんにお時間をいただいて、仕事と生き方について、じっくりとお話をさせていただきました。
二人きりのCEO室で金融を学ぶ
渡辺:
そもそも辻さんは、なぜ金融の道を志したんですか?
辻:
農学部でバイオテクノロジーを学んでいたんですけど、先輩が大学進学塾を起業してそれを手伝っているうちに、ビジネスが面白いと感じてきて。それで、研究者の道ではなくビジネスの世界へ行こうと思ったんです。だけど、ソニーに入社して配属されたのは、ビジネスの現場から離れた経理部だったんです。
渡辺:
ビジネスではなく、お金を扱うスペシャリストになった…。
辻:
日々お金を扱っているうちに、あまりにお客さまのためになっていない金融サービスに憤りを感じ始めたんです。そんな時、マネックス証券創業者の松本大さんが、個人投資家にも機関投資家レベルの商品やサービスを提供するとおっしゃっているのを聞いて、これこそ当時の金融業界に最も必要なことだと感じたし、世の中が良くなることを直感して、マネックスの門を叩いたんです。
渡辺:
マネックスに移ってすぐ、松本さんの薫陶を受けたのですか?
辻:
そうですね。マネックス証券のCEO室に配属になったのですが、CEO室と言っても当初は上長の松本さんと私の二人きりだったので、本当に濃密な時間でしたね。鍛えられました。
