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1社提供というスタイルが持つ価値
テレビアニメ「サザエさん」のスポンサーがどこか、話題になっています。Amazonが決まったとか、西松屋や大和ハウスだとか、さらに日産もだとか。ネット上では、Amazonがスポンサーになると、磯野家は何でもネット通販になって、三河屋のサブちゃんに注文しなくなるのでは?というネタが盛り上がっていますね。
Amazonのスポンサー決定は共同通信が、日産は時事通信が伝えていて、通信社が競い合う題材にもなっています。そんな、大ごとでしたっけ?
ひとつの番組のスポンサーが代わるなんて、しょっちゅうあることなのに、これほど関心を呼ぶのも珍しい。それもこれも、東芝がスポンサーを降りることが、先にニュースになっていたからでしょう。つまり、まず「東芝がサザエさんを降りるなんて!」が衝撃で、だからこそ「次はどこか?」が気になっていたわけです。
それくらい、東芝と「サザエさん」は密接な関係でした。いわゆる「一社提供」で、「サザエさん」で流れるテレビCMは、すべて東芝。「明日をつくる技術の東芝がお送りしまーす!」とテーマソングが終わると、サザエさんがアナウンスしていました。
実際は、1998年にすでに一社提供ではなくなっていましたが、その後もイメージ的には東芝提供という印象を強く残していました。それくらい切っても切れない関係でした。それが、この春で降りるということで、ニュースになったわけです。
