新潟に本拠地を置き、「日常を楽しもう」というコンセプトのもと、様々な物やコトのクリエイションを行う集団、hickory03travelers。代表の迫一成さんが6月27日、都内で新商品の発表会を行った。そこには、地域とデザイナーの新しい関わり方のヒントがあった。(本記事は、月刊ブレーン8月号 関連記事として掲載しています)
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特集「地元の魅力は自分たちの手でつくる クリエイターと地域の新しい関係」
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地域と一体となって活動するデザイン会社
懐かしい雰囲気が漂う新潟県上古町商店街。その一角に、築80年の木造2階建ての元酒屋をリノベーションした店舗を構えるのが、hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)だ。販売しているのは、新潟の土産品や雑貨、自社商品など。「小さな商店街の個性的なお店」を掲げる同店には、県内はもちろん、約半数の来客が県外から訪れる。
ヒッコリースリートラベラーズを運営する合同会社アレコレは、同じく上古町にオフィスを置くデザイン会社。こうした店舗運営やグッズ制作のほか、地元企業と共同での商品開発、Tシャツや雑貨の受注生産など幅広い業務を行っている。
代表の迫一成さんは、福岡生まれで大学進学をきっかけに新潟に移り住み、卒業後も新潟を活動の場にしている。「東京で仕事をする理由も特に見当たらなかったので、新潟でデザインの仕事を始めました。これまでの僕たちの活動に一貫しているのは、『やりたいこと+できること』を続けてきたこと。初期の頃の自社開発は自己表現の意味合いが強かったのですが、やがて様々なご相談をいただくようになって、今では地域や社会のための開かれた仕事が増えています」。


