「みんなの学校」は特別で、どこででもできるわけがないと言われることに閉塞感を感じていた頃、『プレイフル・シンキング』に出会いました。私の負のスパイラルは一瞬にして吹っ飛びました。
Can(できるかどうか)ではなくHow(どうしたらできるか)で考え、自分の周りの環境を最大限に活かせばワクワクする学びの場を創り出すことができるという上田理論(希望)を発信することにしたのです。
自分の可能性に対する考え方を変えることで自信を取り戻すことができ、生き方をポジティブに変えることができる。対立や異なる意見も他者とのクラッシュを通して新たな発見や創造につながり予想しなかった解決策が生まれる。これらの思考法が言語化され、全てに納得感を共有し行動できるのです。
世界中がコロナ禍で人の意識の再定義が余儀なくされている今です。「差別」や「排除」などの言葉を世界中から断捨離するチャンスです。困っている子が困らなくなる「みんなの学校」をつくってきた事実が『プレイフル・シンキング 決定版』に満載されていることにも衝撃を受けています。物事に対してドキドキワクワクする心の状態が「プレイフル」です。読み終えるとワクワクを超えてゾクゾ感で満ちるでしょう。学びは楽しいですね!
木村泰子(きむら・やすこ)氏
大阪府生まれ。2006年に開校した大阪市立大空小学校の初代校長を9年間務める。大空小学校では「すべての子どもの学習権を保障する」という理念のもと、
教職員や地域の人たちとともに障害の有無にかかわらず、すべての子どもがいつもいっしょに学び合っている。2015年には大空小学校の1年間を追ったドキュメンタリー映画「みんなの学校」が公開され、大きな反響を呼んだ。この映画は文科省の特別選定作品にも選ばれ、現在も全国各地の教育現場などで自主上映されている。2015年春に、45年間の教員生活を終え、現在は講演活動やセミナーで全国各地を飛び回っている。
著書に、『「みんなの学校」をつくるために』(小学館)、『「みんなの学校」から「みんなの社会」へ』(岩波ブックレット)、『「みんなの学校」が教えてくれたこと』(小学館)、『「みんなの学校」流 自ら学ぶ子の育て方』(小学館)、『タテマエ抜きの教育論』(小学館)、『21世紀を生きる力』(水王舎)、『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』(家の光協会)、『「みんなの学校」から社会を変える』(小学館)。
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