LINEの個人情報管理の不備に関する一連の問題で、朝日新聞社は3月24日付朝刊の記事内に「この問題についてメール(=カッコ内メールアドレス=)に情報をお寄せください」と掲載。さらに、同社の記者はTwitterで、このメールアドレスについて「不祥事を暴くための『目安箱』」と紹介した。
不祥事の広報対応を担う企業広報にとっても他人事ではない「目安箱」の設置。その危険性と、企業広報が気を付けるべき点は。企業の内部通報制度に詳しい森原憲司弁護士が解説する。
不祥事の広報対応を担う企業広報にとっても他人事ではない「目安箱」の設置。その危険性と、企業広報が気を付けるべき点は。企業の内部通報制度に詳しい森原憲司弁護士が解説する。
【謹告】朝日新聞社はLINE社の不祥事を暴くための「目安箱」を24日付の朝刊で告知します!LINEおよび関係会社のみなさま、日本の情報行政を改善するための情報提供をお待ちしております!みなさまのご支援こそが我々の糧です!どんな情報でもかまいません。お待ちしております!
これは、同紙記者のTwitterアカウントから発信された投稿である。
このような内部告発の呼びかけは、企業広報にとって他人事ではない。これまでにも、『日経ビジネス』による東芝の不正会計問題報道など、企業内不祥事を暴くための呼びかけはなされてきたが、今回のようにSNSで呼びかける事例も増えてくるかもしれない。
企業内には「内部通報受付窓口」がある
多くの企業には「内部通報受付窓口」が設置されている。その目的は、内部通報によって、早期に企業内の問題を発見し、自浄作用により自ら問題を克服することにある。
今回記者が情報提供を呼び掛けた「目安箱」は、不祥事を暴くことを目的とするものである。該当企業の顧客にとっては、企業が自浄作用により問題を是正しようが、マス・メディアによる外圧で問題が是正されようが、顧客が迷惑を受けるような状況がなくなればそれで足りるのであり、さしたる問題ではない。
しかし、企業にとってみれば、マス・メディアという外部者の圧を受けてようやく問題を是正できる企業と顧客に映るのか、自ら問題を発見して是正できる企業と顧客に映るのかはとても重要な問題である。
「目安箱」にはどう対応する?
「弊社にLINEの内部告発が相次いでおります」と先の記者はTwitterに書き込んでいる。