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ソニーが再生可能な紙素材を開発、実装したパッケージの体積は約66%減に

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ソニーグループは6月、環境に配慮し開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を発表した。6月に発売となったワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM4」のパッケージに初めて実装し、外箱や台紙、スリーブ、商品保護フィルム、つり下げフックなど、すべて分別することなくリサイクル可能となった。

「オリジナルブレンドマテリアル」をパッケージに使用した、ワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM4」。

「前モデルに比べ体積は約66%減に。その分、輸送コストも削減できました。環境配慮素材は高コストではと思われがちですが、前モデルと同等コストで実現しています」と説明するのは、ソニーグループ クリエイティブセンター デザイナー 廣瀬賢一氏。

「オリジナルブレンドマテルアル」を外箱や台紙、スリーブ、商品保護フィルム、つり下げフックなどに使用し、リサイクル可能に。

紙素材を開発したのは同センターと、社内横断組織の「メカ戦略コミッティ」。中国・貴州の山地で栽培する竹、タイで収穫するさとうきびの搾りかす、市場回収した古紙を用いている。

竹、さとうきびの搾りかす、古紙という3つの材料を使っている。

「実際に現地に出向いて選定しました。この3つの材料の配合比率を変え、パッケージとして十分な耐久性やあらゆる形状に対応しています。ブレンドする古紙ごとに色の出方が変わるのも面白さ。OA用紙は白ベースに、新聞やチラシは白にグレーがかった色合いになります」(廣瀬氏)。

使用する古紙によって異なる色合いに。

近年、多くの企業で脱プラに取り組んでいるが、同社が今回目指したのは「環境負荷の低減とともに、環境への取り組みについてお客さまと考えるきっかけづくり」だ。

「パッケージは“捨てるもの”から“リサイクルするもの”になると伝えていくことで、素材の循環に繋げたい。パッケージを起点に、コミュニケーションデザインの面からも提案したいと考えています」と同センター 統括課長 林貴江氏は話す。

高価格帯の商品のパッケージとしてチープに見えないデザイン、開封後にストレスなく商品を使い始めることができる体験設計も重視した。

「開封し商品を取り出し、電源を入れ、専用アプリを入手する。必要に応じ説明書に目を通す。従来品に比べ小さくなったパッケージで、一連の動作をいかにストレスなく可能にするかを追求しました。国・地域ごとに異なる売り場での展開にも対応しています」(廣瀬さん)。

今後は自社内のみならず、新素材のコンセプトに賛同する社外の仲間も増やしていきたい考えだ。