花王は、2022年3月に企業のオフィスなどに生理用ナプキンを設置する取り組みである「職場のロリエ」プロジェクトをスタート。今年5月に、ロリエのアンバサダーである二階堂ふみさんが出演する動画を公開し、公式サイトでは「仕事と生理の関係」のアンケート調査結果を発表している。
「職場のロリエ」を立ち上げた経緯を、電通のクリエイティブディレクター 石田文子氏は次のように話す。
「生理中の女性たちをサポートできる活動はないかと花王さんと打合せを重ねていく中で、調査からも『仕事中』『職場』での困りごとが多いという結果が浮き彫りになってきました。突然生理になって困った、これから会議なのに、ということは多くの方が経験していること。そんな時にトイレットペーパーのように職場のトイレに備品としてナプキンがあれば、という思いから立ち上げたプロジェクトです」
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働くひとと企業、 両方にうれしいことが起こるような前向きなサイクルをつくるべく、プロジェクトがスタート。現在は、日清食品グループ、第一三共ヘルスケア、三菱地所投資顧問、三菱地所リアルエステートサービス、アツギをはじめ、宝島社、十勝毎日新聞社、テレビ北海道といったメディア、保育所、医療関係、学校などで導入されている。
「前例がない活動だったため、まずは自分のクライアントさんや女性の働きやすさに力を入れている企業にお声がけをして、テスト設置をしていただきました。実際に社員の皆さんに使ってもらってアンケートを取ったのですが、97%が『継続を希望』、91%が『会社に対する印象がよくなった』と回答※。会社に対する好意度が上がるという結果が出たことで、商品、女性、企業、そのすべてに貢献できると確信を持つことができました。テスト後に続けるか続けないかの判断をしていただく手順を取ったのですが、ほとんどの企業が継続の判断をしてくださったそうです」
※職場のロリエ テスト設置参加企業(1社)/利用社員 68名/2022年5月実施アンケートより)
動画は、二階堂さんのこんな言葉から始まる。「前から気になっていたんです。トイレットペーパーは備品なのに、生理用品はなんで違うんだろうって」。そして、現在ロリエが取り組んでいるプロジェクトを紹介する。
「自分もモノを買う際に『そのブランドがどんなポリシーを持っているのか?』を重視するようになってきているので、こういう活動こそムービーにするべきだと思って企画しました。二階堂ふみさんには昨年から、CMタレントではなくロリエのアンバサダーという立ち位置でご協力いただいていて、今回も彼女の素直な言葉やリアクションを大切に撮影しました。活動を紹介しながらも、単純なスポークスマンにならない良いバランスを監督が見つけてくれたことに感謝しています」
テスト設置から1年を経て、本格導入をしている企業は現在20社以上に。さらに、企業だけではなく、病院、学校、保育所などにも広がりはじめている。
「SNSでシェアしてくれる人も多く、取り組みを知った人事や総務などの男性からの問い合わせも増えているそうです。この活動を知ることで、さまざまな職場で『うちの会社はどうする?』と会話が生まれ、女性の働きやすさについて考えるきっかけになれば嬉しいな、と思います」(石田氏)
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