ロンドンに拠点を置く非営利団体D&ADは、2023年度のD&AD賞の受賞作品をまとめた「第61回 D&AD賞デジタル年鑑」を10月に公開した。
D&ADでは、毎年デザインおよび広告を中心としたアワードを実施。本年度は300 人以上の世界トップクラスのデザイナー、広告クリエイター、専門性高いクリエイターなどで構成された審査員が、70 カ国以上から過去最多となる 1万2000 以上の応募作品を審議。今年5月に各賞を発表した。
そして2020年より本という形ではなく、デジタル・プラットフォームのみでデジタル年鑑の制作を開始。これは誰もが無料で閲覧できるもので、発刊は今年で4回目となる。最新版には、 20万人以上のユーザーがアクセスしている。
本デジタル年鑑では、2023年度 D&AD賞の全受賞作品を紹介。また、受賞者や業界リーダーへのインタビュー、審査員のお気に入り作品のキュレーション、最も話題となった作品に対する審査員の意見、D&AD CEOのジョー・ジャクソン氏と2022/23年度D&ADプレジデントのリチャード・ブリム氏からのメッセージなどを掲載している。本年度のデザインは、イギリスを中心に活動するデザインチーム「Re」。
また、受賞作品を深掘りする Behind the Work インタビューでは、Vogue Brazil の受賞作「Typeface」の開発秘話から、Muskrat Magazine と BBDO Canada の文化的に敏感なプロジェクトのキャスティング、「Pocohontas」の書き直しによる過去の保存まで、作品がどのように作られたかを紹介。日本からは、博報堂ケトル「キヤスク」、イヤマデザイン「カモ井加工紙/マスキングテープブランド『mt』」、Goo Choki Par「MASQUERADER」の事例が掲載となっている。
さらに、毎年、D&AD が発表する世界のクリエイティブ業界を分析した「Annual Trend Report」 が年鑑のコンテンツとして加わった。こちらでは、2023 年の D&AD ペンシル受賞作品から見た新たな指針、審査会での議論を反映するインサイト、さらに世界全体におけるより広い文化的、社会的シフトの影響も示している。「陽気なシュルレアリスム」、「オープンソース・キャスティング」、「所有可能なアイコニシティ」、「オーグメンテーション・フォー・オール」、「デザイン産業における伝統文化」、「ペイ・イット・フォワード(無償奉仕)」という6つのレポートを読むことができる。
2024年度のD&AD賞は、11月より応募開始予定だ。
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