マニュライフ生命保険は今年1月から、長寿に関する考え方と、将来への備えの提案を目的とした新ブランドキャンペーンを開始。写真家・操上和美氏を起用し「長生きなんて、するもんじゃない?」と生活者に問いかけたコピーで、長寿に対する意識変革を図っている。
このキャンペーンを主導したのは、ロンドン、香港、日本などでキャリアを重ね、現在同社のCMOを務めるカーラ・ハートライト氏だ。日本市場の課題を踏まえた、ストーリーテリングを軸としたマーケティング戦略について聞いた。
このキャンペーンを主導したのは、ロンドン、香港、日本などでキャリアを重ね、現在同社のCMOを務めるカーラ・ハートライト氏だ。日本市場の課題を踏まえた、ストーリーテリングを軸としたマーケティング戦略について聞いた。
高齢化が進む日本 将来の不安解消は重要テーマ
——日本での事業展開における課題についてお聞かせください。
当社は、カナダに本拠を置き、135年以上の歴史を持つ世界有数の金融サービスグループ「マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーション」の一員で、26年前に日本市場に再参入しました。現在、アジア12の国と地域で事業を展開していますが、日本は特に重要なマーケットの一つとして位置付けています。その理由は大きく2つあります。
一つ目が高齢化の深刻さです。日本では30歳以上の多くが「家族をどう支えるか」という悩みを抱えており、将来に備える保険のニーズは非常に高い状況にあります。もう一つが、各保険会社の商品差別化要因を理解している人が少ないことです。当社が実施した調査によると、多くの人が各社の特徴を正確に理解できていないほか、自身の金融リテラシーに不安を感じており、自分で選んだ商品について十分に理解できていないのが現状です。当社は、そうした不安に対して適切にサポートし経済的な安心感を提供することで、長期的に支持される保険会社になれると考えました。
マニュライフ生命保険
常務執行役員 チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)
カーラ・ハートライト氏
マニュライフ・ファイナンシャル・アジアのカスタマー・エクスペリエンス&トランスフォーメーション・アジア責任者を経て、2024年から現職。マニュライフ入社以前は、ロンドンと香港の代理店、コンサルティング会社、企業でマーケティング・リーダーを歴任。最近では、香港の大手モバイルネットワークブランドのマーケティングを統括し、自身のマーケティングコンサルティング事業を立ち上げた。オックスフォード大学クライスト・チャーチ校で近代史の学士号を取得。アジア歴18年。
